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「エレメンタリースクールの集合写真……スかね？なんでこんなのが欲しかったんスか？」
「あっは、懐かしい。これ、俺達が遠足の時に撮った写真だよね。此処に、俺とジェイドも写ってる。そんで……一番隅っこに写ってるのが、昔にアズール！」
「「「えっ！？」」」
「うわあああああ！やめろ！！！見るな！見ないで下さい！」
「おやおやアズール。急に元気ですね。もう少し寝ていては？ここまで来たら、諦めた方が気が楽ですよ。」
「どれどれ？」
「隅って……」
「もしかして、控えめに見ても他の人魚の2倍くらい横幅がありそうな子の蛸足の子供……」
「アズール、オメ―昔こんなに丸々太ってたのか！」
「まん丸で可愛いね。」
『はぁ〜。』
「ああぁあああぁあああぁあ……ッ！！！」
「そ、その気持ち、僕にはよく分かるぞ。誰にだって消したい過去はある！僕は何も見なかった！皆も忘れてやれ！」
「お前、やたら真に迫ってるな。」
『何言ってるのよ。消していい過去なんてないのよ。』
「くそぉ……っ！『モストロ・ラウンジ』の店舗拡大と、黒歴史抹消を同時に叶える……完璧な計画だと思ったのに〜〜〜っ！」
「二兎を追う者は一兎をも得ずって奴ッスね。」
「同級生の卒業アルバムから写真屋のフィルム迄……昔の写真は全て取引で巻き上げ抹消したんですが……。博物館に飾られたこの一枚だけがどうしても合法的に処理できずにいたんです……。」
「だからって、他人の手を汚させようとするんじゃねーんだゾ！」
「別にいーじゃん。俺、このころのアズール好きだけどな。今より食べでがありそうだし。」
「そういう問題では無いんですよ！」
「そんな必死で隠さなくても……」
『凄く頑張ったんですね。』
「……ううっ、もう嫌だ。今すぐ蛸壺に引きこもりたい。」
「とにかく。写真を持ってくるって約束は果たしたぜ。お前が出した条件を完璧にクリアした。」
「ま、その前に契約書も砂にしちまったんだけどな。」
「だが、俺はやっぱり盗みはしたくねぇ。アズール。あんただって、非合法な事はしない主義なんだろ。責任取って、元の場所に返して来いよ。」
『自分も付き合います。』
「……分かりました。でも、どうか画像ソフトで僕を消した写真にこっそり差し替えさせて下さい……。」
「は、往生際が悪いぜ。」
「そうですよ。記録は大切なものですから。」
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作者名：彩夏 | 作成日時：2023年3月13日 2時
