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テストが終わって一週間後、二階の廊下をグリムとエースが走っていた。
「おい待てグリム！今日と言う今日はぜってー許さねぇからな！」
「へへーんだ。そんなに言うなら名前でも書いとけってんだ！」
「てめ〜！！」
「今日はどうしたの？」
『また喧嘩か？』
「まったく、こいつらも飽きないよな。」
「あっ、ユウ！A！お前ら、監督生と寮長ならちゃんと寮生の管理しろ！こいつまた俺が買っておいたオヤツの菓子パン盗み食いしたんですけど！」
「盗んだとは人聞きが悪いんだゾ。机の上に落ちてたから拾って食べただけなんだゾ。」
「机の上に置いてあるものを堕ちてるって言わねーんだよ！チョロチョロ逃げやがって。こうなったら風の魔法で……。」
「お、やんのか？なら俺様も火の魔法を……。」
「「……あっ！！」」
「……やっぱ、魔法はやめといてやるよ。また罰で窓ふき掃除させられたら面倒だし。」
「へ、へん。おめーもたまには真面な事言うじゃねーか。俺様だけ魔法使えのも大人げねぇから今回は勘弁してやるんだゾ。」
「二人ともいい加減に……ん？」
『………………。』
「自分達で喧嘩を辞めるなんて珍しい。」
Aはエースとグリムを見つめた。
『(何か隠してる。期末テスト……アズール・アーシェングロット！オクタヴィネル。そういう事か。)』
「いつもなら教室が黒焦げになって学園長が飛んでくるまで辞めないのに。」
「別に〜？パンくらいの事で狸と張り合うの馬鹿馬鹿しいなって思っただけ。」
「にゃに〜！？おめー本当に一言多いんだゾ！」
テスト返しが始まった。
「良し仔犬ども、授業を始めるぞ。行儀よくお座りしろ。今日はまず、テスト返却を行う。」
「いよいよか。」
「にゃっはー！テスト返却！センセー早く！」
「グリム、はしゃぐんじゃない。ステイ、ステイ！！では出席番号順にテストを取りに来い。一番！」
テストが帰ってきて皆自分達の点数を口に出していた。
「やった！92点！」
「88点！お、俺が80点以上を取れる日が来るなんて……。」
「みろ、ユウ、A！俺様、85点だゾ！！」
「いつも赤点のグリムが、85点！？」
「お前、ちょっと失礼なんだゾ！」
「そういうユウは何点だったんだよ。」
「私は97点よ。」
「Aは？」
『私は満点。』
「お前たち今回はかなり勉強したようだな。小テストの時に比べてかなり……いや、だいぶ、ちょっとおかしいくらいに平均点がアップしている。」
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作者名：彩夏 | 作成日時：2023年3月13日 2時
