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「なぁに、エビみたいにビクッと後ろに下がっちゃって。エビ……ん〜、小さいから小エビちゃんかなー。それにそっちは……イルカちゃん。」
「先輩達に比べれば大抵の生徒は小さいと思います……。」
「このデカさで二人いると迫力あり過ぎだよな……。」
「ユウさんは先日、リドルさん達と一緒にスパイごっこに勤しんでいたようなので僕らの事はよくご存じかも知れませんが……Aさんは僕達のこと知らないので改めてご挨拶を。僕はジェイド・リーチ。こっちは双子のフロイド。」
「どーもぉ、フロイドでーす。よろしくねぇ、イルカちゃん、小エビちゃん。」
「さて、話を戻しますが。もしかしてお二人のお悩みは……このおバカなイソギンチャク達についてではありませんか？」
「もしかして、なんてよく言うぜ。ニヤニヤしやがって。」
「何、こいつ？ツンツンしててウニみたい。」
「なっ……ウニじゃねぇ！狼だ！」
「もしお二人のお悩みの種がイソギンチャンク達についてなら……直接アズールに相談するのが一番だと思いますよ。」
「なんだと？」
「アズールはグレート・セブンの海の魔女のようにとても慈悲深いお方。きっとあなたたちの悩みを聞いてくれるでしょう。」
「そうそう。アズールはどんな悩みも解決してくれるよ。例えば……そこに居るイソギンチャク達を自由にしたい、なんて願いでも。」
「「「えっ！！！！」」」
「もちろん、タダで……と言う訳にはいきませんが。」
「チッそれが本題か。ユウにもAにもあいつと契約させようってんだな。」
「そんなに牙をむきださないで。陸の生き物は獰猛ですねぇ。」
『海の生き物の貴方達だって獰猛じゃないですか。』
「何言ってんの？まあ、俺達は親切で教えてあげてるだけだよ。ねぇ、ジェイド。」
「ええフロイド。僕達、悩みを抱える可哀想な人を放っておけないタチでして。」
「「フフフ……クスクス。」」
「もし、この話に興味がおありなら、夜九時過ぎに『モストロ・ラウンジ』へおいで下さい。美味しいお茶を用意してお待ちしています。」
「待ってるねぇ、イルカちゃん、小エビちゃん。」
二人は離れて行った。
「えーっと、つまり……」
「もし、ユウとAがアズールと契約して勝負に勝ったら……」
「結果によっては、俺達自由になれるって事！？」
「「「頼む、A！！ユウ！！あいつに勝ってくれ！！」」」
「調子のいい奴らだな。」
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作者名：彩夏 | 作成日時：2023年3月13日 2時
