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アズールが言った事にリドルが驚いた。
「なっ……僕はそうやって例外的なルールを作るのは良くないと思うけど!」
「ハハハ!俺はありがたいけどな〜!」
「君達、話が脱せしていますよ。さて、次に大戦表の話ですが…私から一つ提案があります。」
「提案?」
「今大会から、ディアソムニア寮寮長……マレウス・ドラコニア君を殿堂入り選手とし、出場を見合わせて貰おうかと思うのです。」
「えぇっ!?」
「…どういうことだ?」
「ドラコニア君が入学して以来、ディアソムニア寮に当たった寮は全て無得点のまま完敗。ディアソムニア寮の得点は100点を超え、そしてその9割以上が彼が一人で決めた得点です。」
「確かに。去年俺達が当たった時は手も足も出なかった。」
「ゲームバランスぶっ壊れ性能のチートキャラ無双でしたな。」
『負ける戦いをされたくないと言い訳ですね。』
「この大会は単なる娯楽ではありません。新たな才能を持つ魔法士を発掘するために世界中が注目しています。それにも関わらず対戦相手どころかディアソムニア寮の選手にも一度も魔法を披露することなく試合が終わる。異常事態と言っていい。」
「あー、わかる。俺つえー展開も連続すると萎え。」
「マジカルシフトプロリーグを目指す生徒が数多く所属する、サバナクロー寮。学園設立以来、三位以下に転落したことがなかった優勝常連寮です。それなのにこの二年はトーナメント一回戦でディアソムニア寮と対戦したばかりにどちらも初戦敗退。これではプロリーグ関係者の印象にすら残りません。選手の将来にも関わります。」
「……今年も俺達が無様に負けるって言いてぇのか?」
「私だって言いたくて言っているわけではありません。とにかく、殿堂入りの件はすでにドラコニア君に内諾を得ています。後は皆さんの合意を得るだけです。」
「は、舐められたもんだ……俺はな、センセー。“お前は絶対に一番になれない”ってハナから決めつけられる事がこの世で一番嫌いなんだよ。」
「いえ、そういう訳では……」
「じゃあどういうわけだ?第一、マジフトは力押しでやるモンじゃない。
「俺は頭でもマレウスに勝てる気しねーけどなー。」
「フン、お前はな。だが、俺は違う。確かに力押しじゃあ誰もあいつに勝てないだろうが、おつむの方は違うはずだ。」
「ほう?」
「グレート・セブンの百獣の王も、努力と知恵で王の座を勝ち取った。お前らも頭絞って考えろよ。」
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作者名:彩夏 | 作成日時:2023年2月23日 17時