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「ハイエナ風情が俺には向かうってのか？ハハハハハ……笑えねぇ冗談だ。全員明日の朝日は拝めないと思え！」
「ユウ、A、あいつを捕まえればマジカルシフト大会に出られる！気合い入れるんだゾ！」
「来るよ、皆！」
『ごめんね。
Aはユウ達の目の前に氷の壁を作り、一人でレオナと向き合った。
『私が貴方の相手をしますよ。』
「A！？」
「ふな゛っ！？」
「アイツまた……！」
「お前一人で、俺に勝てるとでも……」
『はい。今の貴方になら。』
Aはレオナの攻撃を躱した。
『溶けない、壊れない。だってそちらが凍るから。
ユニーク魔法を使うとマジカルペンが形を変えた。
雪の結晶が散りばめられたとても美しい杖に形を変えたのだ。
そして、複数の華をレオナの後ろのブロットの化身を囲ませた瞬間ブロットの化身だけが凍った。
ブロットの化身が消えた事でレオナが意識を失っていた。
駆け寄ろうとしたAも意識を失った。
『此処はレオナ先輩の記憶の中か。』
レオナside
生まれた時からずっと俺の頭の上にはどけられない岩が置かれていた。
「はぁ……第一王子のファレナ様はあんなに朗らかでいらっしゃるのに……何故弟であるレオナ様はあんなに気難しくていらっしゃるのか……」
「しかも、全てを砂に変える魔法を使うなんて。なんておそろしい……」
「二人ともやめないか！誰かに聞かれたらどうする。」
ーもし、俺が第一王子だったらきっとこう言われただろう。「第一王子のレオナさまは思慮深く強力な魔法を使いこなす魔法士だ。能天気な弟とは大違い」と。それが第二王子になっただけで此れだ。第二王子はやる事なすことケチを付けられ第一王子を称えるためのダシにされる。どうやったって、一番にはなれない。
「レオナ！なぜ今日の式典に来なかった？」
「式典？あぁ、兄貴の息子を国民に見せびらかす親馬鹿パーティーの事か？それは失礼を。つい二度寝しちまった。」
「国民に未来の王の顔見せをする大切な日だぞ。」
「確かにめでたい日だな。嫌われ者の第二王子の王位継承権が永遠に消えた記念日だ。」
「そんな言い方はよせ！」
「生まれた順番が早い奴は得だよなァ。毎日歌を歌いながらゴロゴロ昼寝してたって王になれる。」
「レオナ……たとえ王になれなくとも、お前は賢い。この国の為に出来ることがたくさんあるはずだ。」
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作者名：彩夏 | 作成日時：2023年2月23日 17時
