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私達は大食堂に向かった。
食堂に向かう途中後ろから来たAと合流した。
ユウside終了
リドル、ケイト、グリム、ユウとAの五人で食堂に来た。
「えーっと、ジャミル君は色黒で長い黒髪をした……お、いたいた!」
「おぉ。お前昨日調理室で怪我した奴だろ?ちょっと話聞かせてくれよ。」
「はぁ?急に何なんだ、あんたら。」
「あ〜っ!この狸、入学式で俺の尻を燃やしたやつ!」
「グリム。君は少し口の利き方に気を付けた方が良い。」
『それはお宅のエース君にも言える事だと思いますけど。』
Aは小さい声で言った。
「何か言ったかい?」
『いえ、何も。グリム。話は私達で聞くから静かにしててね。』
「すまないね、朝食中に。」
「ハーツラビュル寮の寮長と、入学式で暴れた狸。あっはっは!なんか面白い取り合わせだな。」
「俺様は狸じゃねえ!グリム様だ!んで、こっちがAであっちがユウなんだゾ。」
「へぇー、そうか!俺はスカラビア寮寮長のカリム。こっちは副寮長のジャミルだ。宜しくな。」
「お、おう。なんか調子狂うやつなんだゾ。」
「……で?何故俺が怪我をした話を聞きに?」
「学園長に頼まれて。」
「学園長が?ふーん……まあ、いいだろう。昨日の夜、俺はカリムに頼まれて調理室で夜食の羊肉の揚げ饅頭を作ってた。」
「ジャミルが作る揚げ饅頭、ほんっとに美味いんだ!今度お前らも食いに来いよ。」
「カリム、話の腰を折るな。」
「あっ、悪い悪い。」
「具材を細かく刻んでいた時に何故か手元が来るって手を傷つけてしまった。」
「ジャミルの包丁さばきはうちのコック長も舌を巻くレベルんなんだぜ。マジフトの練習で疲れてたのか?」
「いや。俺はその程度で手元を狂わせたりはしない。だけど、調理中に一瞬、意識が遠くなったような感覚があった。」
「眩暈?」
「殆どの奴らはそう思うだろうが……俺にはあの感覚に少し覚えがある。おそらく、ユニーク魔法の一種だ。」
「「!!!」」
「そっか、ジャミルのユニーク魔法はふぁっフガフガ!〜〜ぷはっ!何で口塞ぐんだよ。」
「今は俺の話はいいから。とにかく、犯人が使ったのは相手の行動を制御できるような魔法だと思う。」
「なるほどね〜。だから目撃者的には本人の不注意にしか見えなかったって事か。」
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作者名:彩夏 | 作成日時:2023年2月23日 17時