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「なるほど。寝物語をご所望か。いいぜ、話してやるよ。俺達は二年連続でマレウス率いるディアソムニア寮とトーナメント一回戦でぶつかった。」
レオナは話し始めた。
「ーーー結果、初戦敗退。優勝常連。敵を力でねじ伏せて来たサバナクロー寮がまるで目も空いてねぇ仔猫みてぇな有様だった。その無様な姿が全世界に放映されちまった訳だ。結果、どうなったと思う？寮長は無能の烙印を押され、サバナクロー寮生へのプロリーグや一流企業からのスカウトはゼロになった。」
「それは……自分達の力が足りなかったせいで……」
「お前の言う通りだ。去年までの俺達は、本当の意味で人事を尽くしていなかった。バケモノ相手に真っ向勝負を挑むなんざ考え無しの馬鹿のやる事だ。敗けると分かってるのに、なんの策も講じないなんて。百獣の王の不屈の精神に基づくサバナクロー寮が聞いてあきれるよなァ。」
「だからって、あんな闇討ちみてぇな卑怯な真似をするのは、間違ってる！」
「間違ってる？ジャック……俺はな、お前達寮生の事を一番に考えてやってるんだぜ？マレウスを打ち破り、今までの雪辱を果たせば世間のサバナクロー寮への評価は回復するだろう。今年勝てなければ、マレウスは殿堂入り選手になる事が決まってる。これが最後のチャンスなんだ。それをテメェは安い正義でつぶすって？お前は先輩たちの未来を台無しにしたいのか？」
「そ、それは……！」
「頭を使って獲物を追い込むのは狩りの基本だ。卑怯でもなんでもねぇ。」
「シシシッ！この学園は弱肉強食。イイ子ちゃんなだけじゃ生き残れねぇって事ッスよ。」
「寮長、あんたが本気を出せば十分ディアソムニア寮と戦えるはずだ！三年前のあんたのプレイ、今でも覚えてる。俺は……っ！」
「新入りが知った口を利くんじゃねぇ！本気を出せ？馬鹿馬鹿しい。本気になったところで、何も変わらねぇよ。……失せろ。明日の朝日を拝みたいならな。」
「………」
ジャックは寮長の部屋から離れた。
「アイツ、危険ッスね。俺、やっちまいましょうか？」
「まぁ、待て。どうせあいつがクロウリー達にチクッたところで証拠は何もない。それに、あいつの能力は潰すには惜しい。動向だけしっかり見張っておけ。」
「うぃッス。」
ラギーは返事を返して部屋を出て行った。
「……チッ、あの一年坊……兄貴見てぇな事言いやがって。」
サバナクローside終了
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作者名：彩夏 | 作成日時：2023年2月23日 17時
