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『ユニーク魔法は凄いですね。ラギー先輩。』
「気づいていたんスか?」
『最初から。グリムに貴方が魔法を掛けた時から違和感があったので。』
「何でそれをあいつらに言わないんだ?」
『先輩達が何をしようとユウとグリムが怪我を負わせなければそれでいいです。』
「今日俺、君に魔法を使ったけど。」
「おい、ラギー。」
『気にしないで下さい。次はやめて下さいね。じゃないと、此処ら一帯を凍らせますから。』
Aは一言残して寮から出て行った。
目が冴えてしまって寝れなかった為、Aは本を読んでいた。
風の音で外を見た。
そしてふと思った。
『いつ元の世界に帰れるの。早く帰りたい。』
下の方を見るとユウと誰かが一緒にいるのが見えた。
Aは自分の部屋から様子を伺った。
すると、ユウと一緒にいた男子生徒が消えた。
『(マレウス・ドラコニアだったか。此処からは距離が有って良く見えなかったが、消えたって事は間違えないだろうな。)』
Aはベッドに戻り眠った。
一方サバナクロー寮では、レオナとラギーが起きていた。
サバナクローside
「レオナさん、お疲れ様ッス。お夜食持って来たッスよ。ついでに一仕事こなして来たッス。」
「あぁ。お前は気が利くな、ラギー。」
「そりゃもう。レオナさんの為ならお安い御用ッス。」
「はっ、よく言うぜ。自分のためにやってんだろ、お前は。」
「……やだなあレオナさん。俺達の為、ッスよ。世界をひっくり返してやりたいのはみんな一緒ッス。伝説の百獣の候と手を組んだハイエナだって、自分達の境遇をひっくり返すために百獣の王に従った。俺も同じことしてるだけッスよ。」
「ふん。なら『狩り』はより慎重にやれ。証拠を残すなよ。」
「シシシッ!もちろん。獲物は一欠けらだって残さず片付けるのがハイエナのポリシーッスから。ところでレオナさん。次の獲物ッスけど、どの寮の誰にしましょうか?」
「そうだなァ。人の話をこそこそ立ち聞きしている狼なんてのはどうだ?」
「えっ?」
「いるんだろ、一年坊。そんなにでけぇ耳して立ち聞きとは趣味が悪いぜ。」
ジャックは扉の陰から出て来た。
「…………」
「こんな夜更けに何の用だ?ホームシックで子守唄でもねだりに来たのか?」
「俺が歌ってやろーか?シシシッ!」
「理由が知りたい。あんたたちは、何故こんなことをする?」
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作者名:彩夏 | 作成日時:2023年2月23日 17時