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怪我をした生徒に話を聞くためにユウとグリム、そしてAは保健室に来た。
「足を怪我した奴がここにいるって話んだゾ。たのもー！」
「なんだ？お前ら。」
「あ、『なんでもない日』のパーティーにいたオンボロ寮の奴じゃん。」
「おお、俺様達もすっかり有名人だな！」
「怪我したときの話を聞かせてほしいんです。」
『ここ最近、怪我人が増えているので。』
「俺にもよく分かんねぇんだよ。こいつと話ながら歩いてて……気づいたら階段から落ちてたって言うか。」
「うん。躓いたとか滑ったとかそういう感じじゃなくて。」
「勝手に身体がフワッと前に出たっつーか……うまく説明できねぇけど。」
「ふむふむ。なるほど。」
「ご協力ありがとうございました。」
『一つだけ聞いても？』
「なんだ？」
『その時自分の意志ではなく体が前に出たんですか？』
「そうだ。」
『そうですか、分かりました。有難う御座いました。』
三人は保健室を出た。
『(やっぱり、ラギー・ブッチの仕業だよね。彼のユニーク魔法は自分と同じ行動させる事が出来るだった筈だが、その場合、ラギー・ブッチだって怪我を負う筈、でも怪我をしていない。もう少し調べてみよう。)』
次は教室に向かった。
「なあなあ。お前、こないだ大怪我しかけた奴だろ？ちょっと話を聞かせてくれよ。」
「いきなり何なんだい、君達。」
「彼はマジフト大会に最高のコンディションで出られないことに傷ついているんだよ！」
「なんて無神経なんだ。傷口に塩を塗り込むような真似を。決闘だ！手袋を拾いたまえ！」
相手を怒らせてしまったが、話を聞くことが出来た。
「あの日のこと教えてあげよう。」
「あれは実験室の事だ。薬を煮出してる鍋に急に彼が素手で掴んでしまい教室は騒然さ！しかも薬をひっくり返して机の上はびしゃびしゃ。僕は本当に驚いたよ！」
「全部君がしゃべるのかい！？」
「ふむふむ。なるほど。」
「お大事に。いったん寮に戻ろうか。Aも戻ろ。」
『そうだね。』
オンボロ寮に戻り、聞いた話を整理した。
「なーんか、どいつもこいつもおっちょこちょい感じしかしねーんだゾ。やっぱり事件じゃないんじゃねーのか？」
寮のチャイムが鳴った。
「ん？誰だ？」
「おーっす。あれ、グリムは機嫌が直ったみたいじゃん。」
「なんだ、お前か。今俺様は忙しいから遊んで奴暇はねーんだゾ。」
「いそがしい？宿題終わらねーの？」
「実は……」
『私部屋にいるから。』
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作者名：彩夏 | 作成日時：2023年2月23日 17時
