アメノチハレ

. ページ13

.

side: Ryusei







" ごめん、しばらく学校行けない "


" 事故に遭った "






親友の神ちゃんからの突然のメッセージ。
驚いて、すぐに訳を聞いたけど
なかなか返ってこない返事。




担任の先生に聞いたら「命には別状ない」の一言で、詳しいことは教えてくれなくて、
不安で不安でたまらんかった。

神ちゃんのいる毎日が当たり前やったから、
いない日々にはどうしても慣れんかった。







メッセージに既読がついて、

病院名と、部屋番号の返信があったのは
それから1週間後のことやった。






.



「 神ちゃん 」


神「 … おお、流星。ごめんな、心配かけて。」






ベッドのリクライニングを起こして、
そこにもたれている神ちゃんは
俺の声に反応してこちらに顔を向けた。


頬や額にガーゼが貼られていて、左腕からは点滴が伸びていて痛々しい。









神「 ただ普通に歩いとっただけなんにな、居眠り運転やってんて。… 突っ込んできたトラック。」


神「 怖くて暫くひとりで道歩けへんな、ははっ 」





居眠り運転のトラックが、歩道を歩いていた神ちゃんに突っ込んだ。

そこを歩いていたのが誰だったとしても、
それは避けられなかった。







.

「 ほんまに心臓止まるかと思ったわ、連絡きたとき。」


「 …でもよかった、神ちゃんが生きとってくれて。」





神「 …. ほんまごめんな、でもそんなに簡単に死なんのやなって思ったよ。人間って。」









.



「 んでその…… 大丈夫なん、からだは 」

神「 … おん、一応？まだ入院せなあかんみたいやけど、( 笑 ) 」




「 そか、それなら良かった。」





「 ああ、しばらく学校行けんとなると退屈やな〜！」



そう笑う神ちゃんの目線は彷徨っていて、
わざと俺の目と合わんようにしてる感じ。

… これはきっと、なにか大切なことを隠している。









「 あそうや、これ。入院退屈やと思って。漫画。」


神「 ほんま？ありがとう！」








右側から渡したのに、神ちゃんが出したのは左手。




.




神「 ごめん流星、そこの棚置いてくれる？」








布団にしまわれている右腕は動かないままやった。




.

.→←02: カナシミの向こう側 ( green )

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す