【鬼滅の刃】鬼を以て鬼を制す 肆

百六十一話:見舞い ページ37

Aside





錆兎と喧嘩した翌日

私は杏寿郎が眠っている部屋に来た


カナエさんから聞いた
目を覚ますのに時間がかかるかもしれないと

そして、柱に復帰するのにも時間がかかると
もしかしたら...普通の隊士として
戦いの場に出ることも難しいかもしれない


どっちにしろ第一線で戦っていた杏寿郎が
抜ける事は大きい




杏寿郎が寝ているベッドの側に立つ
そして手を握る

暖かい...
ちゃんと生きてる


『ごめんね守れなくて
痛かったよね、苦しかったよね
本当にごめんなさい
こんな...治らない怪我させちゃって...
全部私が悪かった
好きなだけ私を恨んでいい』


わかってる、杏寿郎はそんな事をしない

けど止まらなかった



『なんなら同じく目を潰して
肋折って、いくらでも内臓傷付けるよ
治るから意味ないかな？
なら気が済むまで何回も繰り返そう

いくらでも償いをする
だから＿＿＿目を覚ましてよ』


杏寿郎は皆にとって大きな存在なんだ




すると声がした

甘「Aちゃん...？」


蜜璃...そっか、お見舞いに来たのか

『ごめんね邪魔しちゃって』


そう言って目も合わせず横を通り過ぎる

すると手を掴まれた



蜜璃は少しだけ悲しそうな顔をして笑った

甘「Aちゃん...お話、しましょう？」


その蜜璃の顔を見て拒否出来なかった









蜜璃side



煉獄さんが上弦の参との戦いで重傷を負った

もしかしたら柱に復帰出来ないかもって...


けどそんなの関係ないの
生きててくれて本当に良かった

昨日はすっかり安心しちゃって大泣きして
しのぶちゃん達に迷惑かけちゃった...

それで、時間も経って落ち着いたから
ちゃんとお見舞いに来たの




煉獄さんが居る部屋に行ったら
中から声が聞こえた

Aちゃんの声


けどその声は暗くて、切なくて、悲しむような声

聞いてるこっちが泣きそうになる声




私は部屋に入れなかった

そして盗み聞きした



『ごめんね守れなくて
痛かったよね、苦しかったよね
本当にごめんなさい
こんな...治らない怪我させちゃって...
全部私が悪かった
好きなだけ私を恨んでいい』


謝罪の声

それを聞いて私が泣きそうになる




『なんなら同じく目を潰して
肋折って、いくらでも内臓傷付けるよ
治るから意味ないかな？
なら気が済むまで何回も繰り返そう

いくらでも償いをする
だから＿＿＿目を覚ましてよ』





なんで...なんでそんな事を言うのAちゃん

そんなの、誰も望んでないのよ？

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