【鬼滅の刃】鬼を以て鬼を制す 肆

百五十四話:猗窩座6 ページ29

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炭「(斬らなければ！！
鬼の頚を...早く！！)

伊之助動けーーーーっ！！
煉獄さんとAさんの為に動けーーっ！！」



伊「！！」

伊之助がA達の元へ向かう


獣の呼吸 壱ノ牙 穿ち抜き＿＿＿




伊之助の刀が振るわれる

そして次の瞬間＿＿＿



猗窩座は強く地面を蹴り跳躍して
拘束を抜ける

それに反応するように
真っ先に動いたのはAだった


猗窩座を追うように跳躍し刀を振るう




猗(何っ！？まだこんなに動ける余力が...！)


猗窩座にはAを構っている時間がなかった

頚に振るわれる刀を殴る


衝撃に耐えられず
Aの手から刀が飛ぶ
木々の向こうまで、遠くに飛ぶ

殴られた衝撃で手の骨が砕けるのを感じる


顔を歪めるA



そのまま着地するが
足に上手く力が入らずその場に倒れる


猗窩座が急いで木々の向こうへ走る

炭治郎が動き、猗窩座に向けて刀を投げる



猗「(梃子摺った！早く太陽から距離を...)
...っ！！」


猗窩座の体に炭治郎が投げた刀が刺さる

炭治郎が叫ぶ



炭「逃げるな卑怯者！！逃げるなァ！！
いつだって鬼殺隊はお前らに有利な
夜の闇の中で戦ってるんだ！！
生身の人間がだ！！傷だって簡単には塞がらない
失った手足が戻ることもない！！
逃げるな馬鹿野郎！！馬鹿野郎！！卑怯者！！

お前なんかより...
お前なんかより煉獄さんやAさんの方が
ずっと凄いんだ！！強いんだ！！
煉獄さんとAさんは負けてない！！
誰も死なせなかった！！
戦い抜いた！！守り抜いた！！」




もう既に姿が見えなくなっているのにも関わらず
猗窩座が消えた方を見て叫ぶ


炭「お前の負けだ！！
煉獄さんとAさんの勝ちだ！！
うああぁぁぁぁぁぁぁ！！あぁぁぁぁぁぁ！」

涙を流しながら叫ぶ
伊之助は黙ってそれを見る




炭「うっ...うぅ...ｯ」


炭治郎は泣きながら此方に戻ってくる




杏寿郎に抱えられているAを見て
炭治郎は泣いた


炭「Aさんｯ、Aさん！！
お願いです！！死なないで下さい！！
うあっ、あぁぁぁぁぁぁっ！！」

『炭治郎...』



Aは微笑んで炭治郎に手を伸ばす

そして優しくその涙を拭う


それはまるで母親の様に優しくて＿＿
炭治郎は更に泣いてしまった



『大、丈夫...だよ』

炭「Aさん...ｯ！！」

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