【鬼滅の刃】鬼を以て鬼を制す 参

百十九話:裁判4 ページ33

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Aは、痛みを感じさせない冷たい瞳で
実弥を見る


『もういい、私が抜く
あぁ、心配しなくていいよ
どうせこんな傷治るんだから
これ以上深く切れたって問題はない』


そう言って刀を引き抜こうと力を入れる
それによって深く刃が食い込む

Aの手は小さく細い
これ以上力を入れたら指まで切れてしまうだろう


実「おい！これ以上＿＿」




そこで炭治郎が立ち上がって叫ぶ


炭「俺の妹を傷つける奴は
柱だろうが何だろうが許さない！！」

そう言って向かってくる



実「ﾁｯ、退いてろォA」


実弥がAの肩をドンッと押して
自分から離れさせる

しのぶが駆け寄ってくる



し「Aさん、手を見せてください」

『...別にいいよ、治るから』

し「拒否権はありません！！」


手首を掴まれて引っ張られる

そして血塗れになった手を見て顔をしかめた



し「...っ！こんなに深く切れるまで
刃を掴む馬鹿いますかっ！！
普通ならもう使い物にならないですよ！
そもそも刃を掴んで止めるなんて
正気の沙汰じゃありません！！
もう少しで指切断する所でしたよ！！」


しのぶの言うとおり
Aの手はかなり深く切れていた
血管も骨も神経も筋肉も切れ、
指の骨なんか殆ど切れていた程だ

普通の人間ならその手はもう使い物にならない
Aじゃなければ、出来なかった


手の傷が塞がっていく

Aはそれをつまらなそうな目で見ながら
炭治郎達へと目を移す


そこで義勇が言った



義「やめろ！もうすぐお館様が
いらっしゃるぞ」

実「！！」


一瞬、実弥の動きが止まる

炭治郎が実弥に向かう

実弥は容赦なく刀を振るうが
それを飛んで回避する炭治郎


そして＿＿＿




ゴンッ

と鈍い音が響く


炭治郎が実弥に思いっきり頭突きしたのだ

実弥が倒れる




義「...」

甘「ぶふっ...すみません」


伊(冨岡が横から口を挟んだとは言え
不死川に一撃を入れた

それにしてもAがあんな無茶をするとは
あれほど冷たい表情は久々に見たぞ
竈門炭治郎と言う奴がそれほど大事なのか？)




炭治郎は禰豆子が入った箱を後ろにして言う


炭「善良な鬼と悪い鬼の区別もつかないなら
柱なんてやめてしまえ！！」

実「てめェェ...ぶっ殺してやる！！」




その言葉にAが反応し動こうとした

するとその時、声が響いた



「お館様のお成りです！」


館「よく来たね私の可愛い剣士(こども)たち」

炭「！？」

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