十七話:異能ノ鬼 ページ20
Aside
鬼を1体仕留めて町を歩き回る
烏の情報では複数居るとの事だ
あと、最低1人は居る筈だ
すると、ふっと影が差した
それに気付いて見上げると
家の屋根に鬼が立っていた
鬼は笑いながら言う
「こんばんは、お姉さん
アイツを殺してくれてありがと」
『...あいつ？』
「ボクの縄張りで好き勝手やってた奴だよ
アイツの気配が消えた
お姉さんが殺してくれたんだよね？
お礼と言ってはなんだけど＿＿
殺さないであげるから
ボクに食べられてよ」
『へぇ〜君、自分が強いとでも思ってるの？』
「は？」
『きっと私の方が強いよ
だからさ、今まで拐ってきた人間が
まだ生きてるなら解放してよ
そうしたら“今日は”見逃してあげるよ
もし、もう食べたって言うなら＿＿
殺してあげるからさ
さて、どっちかな？』
わざと挑発するような口調で笑いながら言えば
鬼は俯いて体を震わせた
「よくも見下したな
お前はボクの血鬼術で殺してやるよ！！」
鬼は見事に怒りながら叫んだ
なるほど、これが鱗滝さんから聞いた
異能の鬼か＿＿
血鬼術という特殊な技を使うらしい
「血鬼術、乱舞紙片！」
鬼が腕を上げた
その周りをくるくると回る白い何か
あれは？紙か？
細かく切られた紙
私が鬼の首を切ろうと動くと
その紙を此方に放ってきた
早いが直線的な攻撃
簡単に避けられる
攻撃を避け、鬼の居る屋根へと飛んで
距離を詰めてそのまま首を狙う
「...！！」
鬼が咄嗟に自分を守るように紙で盾をつくった
だが所詮は紙
いくら血鬼術で強化されていても紙だ
簡単に切り裂ける
私は紙の盾を切り裂いた
切り裂いた部分からヒラヒラと紙片が
風に乗って舞っていく
「あ...」
鬼が小さく声を上げた
が、私は躊躇うことなく刀を振るい
首を切った
鬼の首が屋根から転げ落ちて地面に落ちる
「＿＿＿、＿＿」
何か言っている
私は屋根から下りて
鬼の首の所へ行く
「人間は...この家の中に、居るから
鬼も、ボクで最後」
『...』
鬼が震える声で言った
ボロボロと塵になりながら消えていく
すると、静かに涙を流した
「ボク、お姉さんの言う、とおり弱かったよ
けど、お姉さんに殺して貰え、て...良かった
本当は...人な、んて殺したく...」
そこで、完全に鬼は消えてしまった
『...』
きっと、鬼になる前は優しい子だったのだろう
なんともやるせない気持ちになって
私は、家の中に居るという人を解放しに行った
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ぴーふふる - すみません💦今いましたね！ (2022年10月12日 14時) (
レス) @page10 id: 97d1a84e27 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーふふる - 真菰ちゃんは！？ (2022年10月12日 14時) (レス) @page9 id: 97d1a84e27 (このIDを非表示/違反報告)
コクマ - 終命ノ夜ってなんで読むんですか？ (2020年5月30日 13時) (レス) id: 9ee991fc40 (このIDを非表示/違反報告)
スモークサーモン - ぱすてーる@YouTube部 所属さん» 17話やるせないであってますよ 許せないだと、何が許せないになるんですか？ (2020年4月26日 20時) (レス) id: 99f545fffc (このIDを非表示/違反報告)
あーるぐれい。(プロフ) - とても面白い作品ですね！でも1つ訂正が…。四十一話の「役不足」と言う言葉ですが、その仕事・役割が自分の力量に足りないという意味なので、この場合は「力不足」(その仕事・役割に対して自分の力量が足りない)と言う方が正解です！細かくてすみません…。 (2020年3月18日 0時) (レス) id: 86f01c478d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：来羅 | 作成日時：2019年10月27日 1時
