東卍の白豹Part6

284話:多少の無茶 ページ35

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心配で心配で堪らなかった

一刻も早く側に行きたいのに
ソレを許してくれない状況に、目の前の敵に
雪は完全にキレた


ドラケンを刺したのもコイツらの企みだと踏んだ雪は
殴り倒した敵を容赦なく踏んで言う



『よくもウチの副隊長をやってくれたナ
道具まで持ち出しやがって...
喧嘩の仕方、この白豹サマが教えてるやるよ！！』





牙を向いた雪はもう誰にも止めれなかった

そこから戦況が一気に変わった


雪が驚きの早さで容赦なく手加減なしで
敵を倒していったのだ
中には手首や肘を折られた者も居たので
味方である東卍メンバーでさえ戦慄した




それとは逆に、周りに居た特攻隊のメンバーは
出会った頃に見た、白豹モードの雪を久々に見て
「隊長カッコいい...」と見惚れてたとか

雪関係になると馬鹿になる特攻隊メンバーだった


「いや、平然と腕折ってんの見えてねぇの？オマエら
だからオマエら雪さんに似て容赦ねぇんだよ」
と周りの隊員にツッコまれたのは言うまでもない






そんなこんなで、暫くすると殆どの愛美愛主メンバーは
倒されて、勝敗が決まった

だが流石に東卍側も無傷ではなく、疲れを見せていた



三ツ谷「あー、しんどっ」

ナホヤ「おーい、こっちは片付いたぞ」

武藤「コイツ、足やっちゃったみてぇ」

三ツ谷「足...そういや雪大丈夫か？
靴擦れしてただろ？」



話を振られて、雪は足を確認する

処置もしてない状態で動き回って
それから傷口に雨が沁みて、ずっと痛みを感じていたので
見なくても予想はついていたが案の定悪化して血が滲んでいた



『ヘーキ、でも痛いワ
下駄で喧嘩するモンじゃねェナ』

場地「平気でヒールで喧嘩する奴が何か言ってんな」

『うっせ、ヒールと違って履き慣れてねェンだよ』

三ツ谷「そういう問題じゃねぇだろ...
ったく、ウチの特攻隊長は無茶ばっかするな』

場地「だな、あんま無茶すんなよ？」



『こンなの無茶に入らねーっての、心配し過ぎ
(無茶してでも、強くなきゃ駄目だろ
女ってだけで男より劣るンだから...)』




その言葉に雪は困ったように笑ってから
少し俯いた


周りより喧嘩の腕が良くて、強いのは確かだった
けれど性別の差を埋めるのはかなり大変で
力も、体格も男の方が勝っていた


“喧嘩の強さ”が雪の自信だった
それを失ってしまえば自分は必要とされなくなる
価値がなくなると考えていた

だから多少の無茶は見ないふりをしていた

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