東卍の白豹Part6

279話:信じる ページ30

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安心感と落ち着きを得た東卍側とは反対に
相手側はどよめき始めて焦りを見せた


「特攻隊長の今牛雪だ...
マイキー並に強ェって噂だけど大丈夫かよ？コレ」

「白豹に狙われたら終わりって話もあるだろ...」



林「ユキが居ようが関係ねぇ
4人まとめてやっちまえ」



そう指示をするペーを見て、雪は顔を顰めた




『ぺー、本気か？』

林「本気だよ、パーちん見捨てやがって...
オレは絶対ェ許さねぇ」


『許さない、か...
怒るのも無理はないよナ
でも、誰よりもパーを理解してるオマエが
パーが望ンでねェコトしてンじゃねェよ』

林「オマエにオレの何がわかんだよ！！」



声を荒げるペーに、雪は呆れたように溜息をついた




『はい出た、ロクに話もしてねェのに“何がわかるんだ”って
言ってくるヤツ
心読めるワケじゃねェし、わかる筈ないだろ馬鹿
言わなくても察しろって？面倒くせぇ彼女かよ
生憎、察してあげれる程出来た彼氏じゃないンだワ、私
面倒くせェ女みたいなセリフ言ってンじゃねェよ』


林「あ"！？」



武道「うわ...毒舌」

龍宮寺「正論だけど“面倒くせぇ女”って言われて煽られんの
苛つくな、ペーに同情する」

三ツ谷「綺麗な顔して平気でえげつない事言うのは
いつも通りだろ？もう見慣れたっての」




雪の煽る様な言葉に、わかりやすく反応するペー
それに対して同情したり引いたりする反応を見せるギャラリー

すると雪は、先程の煽りとは真逆な事を言い始めた





『何もわかンねーよ
でも、ペーがこんな馬鹿する奴じゃねェってコトだけはわかる
パーみたいに、馬鹿で阿呆だケド
仲間想いで友達想いな奴だよ、私の知ってるペーは
そんな奴が、こんな真似するワケねェだろ？』


林「っ！！」



その言葉にペーが目を見開いて言葉を失った

雪は、仲間であるペーを信じていた
だから言葉を紡いでいく




『らしくねェコトしてンじゃねェよ馬鹿
パーに怒られるぞ、“参番隊任せたのに何してんだよ”って
パーが居ない間、参番隊まとめるのはオマエの役目だよペー
こんなコトしてちゃ駄目だろ？
もう辞めちまえ、こんなコト
愛美愛主なンかじゃなく、私らの手を取れよ、ホラ』

林「...」




そう言って、雪は手を前に出して
ペーがその手を取るのを待った

何もせず、ジッとペーを見ながら待ってる間
手に当たる雨粒に、やけに意識が向いた






その時だった


聞き慣れたバイクの排気音が響き渡り、近づいて来た

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