東卍の白豹Part6

270話:恋人の時間 ページ20

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手に取れば、中身が残っているのがわかって
『一口だけならいいか』なんて思って
ビールを呑もうとした時だった


真一郎「雪」



急に名前を呼ばれて、ピタッと止まった雪
先程まで寝ていた筈の真一郎と目が合って苦笑する

目で「呑むな」と訴えて来てるものだから
缶を大人しくテーブルに戻した




『...なンでこのタイミングで起きるかナ、真一郎』

真一郎「駄目だろ、呑んじゃ」

『兄さん達に続いて真一郎まで止めるのかよ...
皆未成年で飲酒とか喫煙しまくってたクセに
私にはあーだこーだ口出すンだネ？』



そう言うと、真一郎が身体を起こして
雪の腰に手を回して言う




真一郎「だって雪は女だろ」

『そうだネ？』

真一郎「雪はオレと結婚して家族作るんだろ？
なら体悪くしちゃ駄目だろ？身体大事にしろ」


『！！...ばか』



予想してなかった返しに雪は少し照れながら
控えめに悪態をついた

すると真一郎が顔を近付けてきた





真一郎「キス、しよ
さっき雪に止められたからまだしてねぇ」

『ん、いいよ』

真一郎「雪からがいい」

『...ハハ、仕方ない旦那様だナ』





雪は優しく笑うと真一郎の願い通り
自分からキスをした

最初は触れるだけのキスだったが
何度か角度を変えていく内に舌を絡ませるキスへ変わり
そのまま雪は真一郎を押し倒した



『(お酒の味する、にが...
舌あっつ...酔ってるから？)』

真一郎(前々から思ってたけど上手くなったな
やべ...腰にクる、誰が雪にこんなキス教え込んだんだ
あ、オレか)




粘着質な水音を響かせて濃厚なキスをする
互いに息が荒くなって、頭が痺れてきたところで
一旦口を離した

互いの熱を帯びた視線が交わる




『はぁっ、は...ｯ目ェギラついてる
血ィ踊った？』

真一郎「雪、がっつかれんの好きだろ」

『好き』

真一郎「即答かよ」



『今日は真一郎の好きにしていいよ
私の部屋行く？』

真一郎「行く」

『ハハ、真一郎こそ即答じゃん』



なんて言いながら互いに笑みを零す





『そろそろちゃんと抱いてくれてもいいンだよ？
今日は真一郎の誕生日じゃん
いつでも私の全部あげれるよ？』

真一郎「...まだダメ」

『どうして？』

真一郎「多分...オレが我慢出来ねぇから...
ゼッテェ制御効かなくなって孕ませちまう」

『は...』





その言葉に一瞬だけ固まった雪だが
『ホント、ズルい人だナ』と笑って、再び自分からキスをした

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