東卍の白豹Part6

267話:酔っ払い ページ17

.


武臣に「少なくともユキが反抗期で暴言吐けば
コイツらの大半はぶっ倒れる」と言われて

『えぇ...？』と困惑気味に返した雪だった



けれどまだ諦めてきれない雪はワカに言った




『じゃあ百歩譲ってノンアルならいい？』

若狭「何を百歩譲ったンだバカ...
つーかノンアルねぇよ？
オレらがノンアルで満足する奴らだと思ってンのか？」

『じゃあ此処にあるの呑むからいいよ？』



若狭「だから呑むなって！
度数高ェのばっかだぞ！！」

『いーじゃん、一口だけ！一口だけだから！』


若狭「未成年の飲酒は体に悪ぃンだよ！
小中の保健体育やり直してこい！！」

『ヤだね！！兄さん達ばっか楽しそうでズルいンだよ！！
私も混ぜろ！！』




思いの外喧嘩ではなく、ふざけ合った声で会話が繰り広げられ
周りはホッとしながら2人を眺めていた


次第に今牛兄妹が仲良さそうにじゃれ合い始める

それでも続く「呑む、呑まないの」やり取りに
周りは「仕方ねぇなこの兄妹」と言うような目で見ながら
また酒を呑み始めた





その時だった



真一郎「雪っ！！」

『エ、な、何っ！？』

若狭「ウワ、危ねっ」



雪に向かって真一郎が勢い良く抱き着いて来た
雪はその勢いに負けて
そのまま一緒に床に倒れ込んだ

ちなみにワカはシレーっと雪から離れて
巻きこまれるのを回避した




ギュウギュウに強く抱き締められながら
首元に顔を寄せられると
強く酒の匂いがして雪は顔を顰めた



『ウワ...酒クサッ』

真一郎「あ"ー雪だ...いー匂いする...
オレの嫁まじでかわいぃ...旦那が来たぞ〜雪〜」


『この酔っ払いめ...ったく、どンだけ呑ませたの？
今日の主役を早々に潰してどうすんだよ...
って、ちょっ！？真一郎ストップ！待てって！！
皆居る！！つーか皆も見てないで止めろよ！！
アンタらの総長だろ！？』




かなりベロンベロンになってるのを見て
雪は呆れたように溜息をつくと
『この大型犬どうやって退かそう...』と考えていた＿＿＿

それで油断していたら
顔を近付けてキスされそうになって雪は焦った
咄嗟に真一郎の口を手で覆って阻止をして抵抗する




真一郎からは「なんで止めんだよ」という目を向けられ
周りからは何とも言えない視線を向けられて
雪は照れ隠しも含めて助けを呼んだ


そこでようやく武臣が口を開いた

268話:酔っ払い2→←266話:反抗期

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す