東卍の白豹Part6

266話:反抗期 ページ16

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それから雪が家に帰ると、中から賑わっている声が
聞こえてきた

真一郎の誕生祝いは今牛家でやることになっていたのだ
雪は『もう集まってるのか』なんて言いながら
家の中に入った



リビングに顔を出せば既に賑わって
どんちゃん騒ぎだった

帰って来た雪を見て、ワカがビール缶を片手に持って
側に来た




若狭「おかえり、雪」

『ただいまー、ってか...私居ないのにもうお楽しみかよ
つーかもう呑ンでるワケ？』

若狭「ワリィな、オレら集まったら呑むのは確定なンだワ」


『また私だけ仲間外れじゃん...
もうこの際だし、お酒解禁させてよ
ソレちょーだい』




雪はワカが持ってるビール缶を取ろうと手を伸ばすと
ワカは雪に届かないように、缶を持つその手を上に上げて
少しだけ背伸びをした




若狭「この際ってなんだ、このバカ
つーか許可しねぇよ？成人するまで呑むな」

慶三「だな、体に悪いからやめとけ」

武臣「大人になってから一緒に呑もうな？」



『ちっ』

若狭「エ、今...舌打ちした？」

慶三「したな、思っ切り」

武臣「ユキ、反抗期になるのだけはやめとけ？
死者が出るぞ」


『どーいうコトだよタケオミ君
つーか私を何だと思ってンだ』




ワカに味方するようにベンケイと武臣が
そう言い出して雪は不満げな顔をした



雪は、昔からこの空間が少しだけ嫌いだった
周りの大人は酒を呑んで酔って、楽しそうにしてるのに
自分は未成年だからジュースしか飲めずに
そこに入っていけないから

自分だけ取り残された気分になるから＿＿＿




すると、その会話を聞いていた周りのメンバーが
「そうだぞ〜大人になってからな？」
「ワカさん達の言う事聞いとけー？」と言い始めた

雪はムッとした顔で呟く





『未成年で喫煙、飲酒してた奴らが何か言ってるナ
説得力ないンだケド』


その言葉にグサッときた数人は胸を押さえ始めた




「雪が...反抗期になった...」

「昔ヤンチャしてイキってた頃思い出させないでくれ...
黒歴史だから...」



若狭「オマエらその程度で何倒れてンだよ、軟弱過ぎだろ
“お兄ちゃん嫌い”よりかは全然マシだろうが

...思い出したら悲しくなってきた
オイ、もっと酒寄越せ」




慶三「オマエら、ワカに酒渡すんじゃねぇぞ？
ワカの酒癖の悪さは知ってるよな？」

武臣「ほら見ろ、こういう事になるんだよユキ
だから反抗期終了しろ？な？」



『エ、これ私のせいなの？』

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