東卍の白豹Part5

218話:顔 ページ27

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真一郎をなんとか大人しくさせた雪は
少し足早で店を出た



先程までは何とか余裕な表情を作ってたが
外に出てその表情を崩した

店を出る直前まで際どい所を責められて
身体が熱くて悪態をつく



『真一郎の馬鹿っ！』




今は夜だから昼間よりは気温が下がっているが
それでも暑い

何処に行っても暑さから逃げられなくて
雪は顔を顰めてバイクに乗ってエンジンをかけた



『顔あっつ...マイキー達に会う前に風で冷えるか？』





涼しさを求めて、雪はかなりスピードを上げて
バイクを走らせた

風が心地よくてずっと走らせたいと思う程だった



そうして目的地に向かうと
既にマイキーとドラケンが待っていた



『あ、もしかして遅れた〜？ごめんネ』





2人は少し遅れて来た雪を見て
「待たせやがったな」「遅かったな」と言い終わる前に
黙って顔を顰めた


何処となく熱っぽく蕩けた雰囲気を纏って
ぽや〜っとして余韻が残っているるものだから察した



『え、何？急に黙り込んで』


万次郎「うわ...その状態で集会行く気かよユキ
よくその顔で来れたな？」

『その状態って？
私の顔そンなに変？』




万次郎「直前までヤってたな？
男知ってますって感じがもうダメ
慣れてねぇヤツが今のユキ見たら死ぬぞ」

龍宮寺「...気付いてねぇのかよ
色気ダダ漏れなんだよ、集会出る前に何とかしろ
死者が出る」


『...私をなンだと思ってンだオマエら
まだ顔赤い？風で冷えたと思ったンだケド
ってか誤解だっての、ヤってないし
こちとら店出る直前まであの手この手で離して貰えなくて
大変だったンだよ！なんとか大人しくさせて
やっと出てこれたの！
全ては真一郎のせいだから文句は真一郎にドーゾ！』





万次郎「以上、シンイチローとその嫁の痴話喧嘩」

龍宮寺「なんのナレーションだ」

『オイ、マイキー
オマエの兄貴だろ、何とかしろよ』




万次郎「逆に考えてみろよ、オレの兄貴だぜ？
もうどうにもならねぇよ

それに今、ユキに執着してっから
オレはシンイチローからの過保護が減って
すげー助かってんの
だからオレの為に犠牲になってよ、ユキ」


『ふざけンな、オマエも道連れにしてやる』

万次郎「嫌だ！過保護なシンイチローの相手すんのは
もう沢山だ！！オレはもうガキじゃねぇんだよっ！！」




多分この場に真一郎本人が居たら「オレの扱い酷くね？」
「嫁と弟に嫌がれるのしんど...」って言って
いじけてただろう

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