東卍の白豹

17話:目覚め ページ18

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心地良い微睡みの中
長い夢を見ていた


真っ暗な闇の中で何処からか、誰かの話し声が聞こえてきた



それを理解した瞬間、意識がどんどんはっきりしていって






『...』



ゆっくり目を開けると、その眩しさに目を細める

すると＿＿＿



若狭「！？雪っ！起きたんだな！
オレの声聞こえてるか？」

真一郎「雪...っ良かった、心配したんだからな？」

エマ「雪ネェっ！雪ネェ！！
もうこんなことしないでよ！？約束だからね！？」

万次郎「ユキの馬鹿っ、エマの言う通り
もうこんな事すんなよ！！したら絶交だからな！？」



『ん、聞こえてるよ皆』





大好きな人達が、泣きそうな顔で声をかけてきた
エマはもう既に泣いていた



あぁ、そうだ...私、あの人達を助けた後そのまま＿＿＿




『...生きてたんだ』


若狭「馬鹿っ！死にたかったのか！？」

真一郎「...」

エマ「雪ネェ...？」

万次郎「どういうことだよ、それ」




あの時、自分は死んだかと思った
その時の感情、そして今更になって恐怖が襲ってきて


次の瞬間、視界が歪んだ

紫色の瞳から涙が溢れる





『私っ、死んだかと思って...っ
けど、すごく、すごくっ...怖かった...ｯ！！
みんなにっもう会えなく、なるって思ったら...ｯ
嫌だった...けどっ目の前が真っ暗になっていって
音も聞こえなくなっていって...！！
望んでもいないのに意識が遠くなっていって
最後は私...ｯ諦めたの！！
ごめっ、ごめんなさっ...ｯ』


ごめんなさいと繰り返そうとしたら




若狭「もういい、もう謝るなっ
雪が生きてればそれだけでいい...
帰ってきてくれて、ありがとう」

『お兄、ちゃ...ｯ』


大好きな温かさに包まれて頭を撫でられた




若狭「けど、こんな怖い思いするぐらいなら
もうこんな事するな
オレの知らねぇ所で傷付くな」

『...』

若狭「暫くは喧嘩も禁止」

『...』

若狭「1人だけで外出するのも禁止だ」

『...』




若狭「オレ達がどれだけ心配したと思ってる
これでも甘い方だからな？
本当ならずっと家から出したくねぇって思ってる」

『...』




何も言えなかった

悪いことをしたのは、心配をかけさせたのは私だから
罰を受けるのは当然だ






若狭「けど、縛られて不自由な雪より
自由に、楽しそうに動き回る雪が好きだ」

『え...？』


若狭「喧嘩も、ずっと禁止にはしねぇ
ただ、オレらが落ち着くまですんな」

『...』

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