東卍の白豹

16話:無茶2 ページ17

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そうして暫く待っていると手術中のランプが消えて
中から医者が出てきた

4人の視線が医者に集まる




医者「手術は成功しました
まだ、意識不明の状態は続いていますが
恐らく数日の間に目を覚ますでしょう」


若狭「！！」




医者の言葉に安心したワカがその場にしゃがみ込んだ


真一郎「良かったな！ワカ！」

慶三「ったく、心配させやがって」

武臣「とりあえず一安心だな...」




医者「今から病室に移しますので待合室でお待ち下さい
それと、ご家族の方はいますか？詳しい話がありますので
少し残って下さい」

若狭「わかった」









そこから、少し時間が経つと
病室への移動が終わり、医者から話を聞いたワカが
3人と合流すると雪の元へ向かった




病室のドアを開けて、ベッドを見ると
予想よりも痛々しい姿で眠る雪がいた



ワカは誰よりも先に雪の側に行き
雪の手を握る


若狭「...生きてる、よかった」




握った手から伝わる雪の体温に
息をして上下する胸に雪が生きているのを実感して
泣きそうになった


真一郎達も雪の近くに来て
静かに寝息を立てる雪を見た




昔の兄と同じ、白い髪なんだと自慢げに話して
とても大事そうに手入れをしていた髪が
焼けて所々黒く焦げている

服から露出していた部分は火傷してしまったのか
綺麗に整った顔に、細い首に、小さい手に
ガーゼや包帯が巻かれている



その姿が全てを物語っていた


各々が寝ている雪に声をかける




真一郎「雪、よく頑張ったな...
けど今回の事は許さねぇからな
オレが優しいばかりだと思うなよ？起きたら説教だ」

武臣「真に同意だ
ユキには理解して貰わないとな
周りのヤツらにどれだけ大事にされてるのか
どれだけ心配をかけるのか」

慶三「あぁ全くだ
ユキにはもう少し考えて行動して貰わねぇと
オレらの身が持たねぇ」




若狭「だってサ、雪
早く起きねぇと“黒龍”が荒れ狂うぜ」








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それから、この4人から雪のことが
まだ関わりの残っている初代黒龍メンバーに伝わり
大勢の人が病室に押しかけて荒れに荒れたとか


「雪の顔を見るのは俺が先だ」
「誰が1番いい見舞い品を持ってきたか」
だとかなんとか...まぁ取り敢えず下らない論争が始まった





普段の雪が見たら心底ウザそうに
この馬鹿な大人達を眺めていただろう

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