東卍の白豹

5話:それから ページ6

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それからよく黒龍に顔を出すようになった雪は
隊員達にたいそう可愛がられた


みんな揃って言うのだ
「黒龍(ウチ)の末っ子が可愛い」と

それでも不良かと言うほどにデレデレと頬を緩ませて
お菓子等を雪に貢いできた




それが気に入らないワカは雪の隣を陣取って
もしくは抱き締めてガウッと威嚇をするのが恒例になった


若狭「雪はオレの妹だからな！」

『お兄ちゃん、知ってる』











そして、その付き合いの中で真一郎の家族である
おじいちゃん、母親、イザナ、万次郎、エマと
出会って仲良くなった

武臣の弟、妹である春千夜と千壽とも仲良くなれた



それから万次郎とよく遊ぶようになってから
場地圭介とも知り合って関わるようになった








けど、いい事ばかりではなくて＿＿＿

この数年の内に


母親の桜さんは病気で亡くなってしまい

イザナは少年院に入ってしまった

万次郎が、春千夜に傷を付けてしまった




自分はただ見ていることしか出来なかった

ただ泣いていると決まって兄を含む初代黒龍メンバーが
側にいてくれた











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そして2001年、12歳になった頃＿＿＿



雪は真一郎が開いたバイク屋によく来ていた


黒龍を解散した後も繋がりがあるのか
隊員だった人達もよく訪れていた

その度可愛がられ、お菓子を貢がれている







今日は、店の2階にある居住スペースに
いつものメンツで集まって呑んでいた
雪は子供なのでジュースを飲んでいた


楽しそうにお酒を飲む大人達を見て
何だか、お子様な自分だけ取り残されてるように感じて
面白くなくなって兄に寄りかかると上目遣いをする





『そんなにお酒って美味しいの？
...ねェ、お兄ちゃん』

若狭「コラ、駄目だかんな
酒は大人になったらだ」

『バレた？くそ、元不良が正論言ってやがるよ...』

若狭「あと今のオレ以外にすンなよ
ゼッテェ堕ちるから」





『ちぇっ』と不満気な顔をする雪
その様子を見ていた3人が笑う


真一郎「もう酒に興味あんのか？
成人したら一緒に飲もうな！」

慶三「ワカが飲んでるのはやめとけユキ
度数高ェからな、潰れるぞ」

武臣「ユキが成人する頃には
だいぶ年食っちまうな」




『...なぁんで同い年じゃなかったンだろ
年が近かったら良かったのに』

若狭「なに、拗ねてんの？」


『ん、だって私だけお子様じゃん』








“早く大人になりたい”と呟く雪

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