東卍の白豹Part2

90話:叶うはずの未来 ページ45

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真一郎は涙を流したまま、目を見開いてワカを見た

ワカは続けた




若狭「最初の世界でも雪は今と一緒だったんだろ
じゃなきゃ好きでもねぇ男に尽くしたり
抱かれたりもしねェ
それこそ後を追うこともな
アイツ、一途なんだよ」


真一郎「なんだよ、それ...
オレ...ｯ本当に最低じゃねぇか
雪の気持ち、なんも考えねぇで...」



真一郎は拳を強く握った
ワカは大して気にせずに言う




若狭「ほんと馬鹿だよ、どっちも
...オレさ、雪はゼッテェ嫁にやらねぇって
決めてたンだワ
けど真ちゃんならって考えたことはある
オレらが心底惹かれた初代黒龍の総長だからナ
そんな総長に、雪も惹かれた＿＿＿」


そんな言葉に胸が締め付けられた






若狭「オレ、少し考えてたんだ
もし、真ちゃんと雪が恋人になったらの話
オレとかベンケイにばっか惚気てきて
武臣のヤローはシレーッと逃げやがってさ
胸焼けしそうな甘ったりぃ話聞かされてうんざりするけど
幸せそうに笑うからオレ達はまあいっかなんて思ってサ
喧嘩したら2人してオレんとこに愚痴言いに来て
またかよって聞き流すの」


真一郎「...」



また涙が溢れてくる





若狭「それから、高卒前に雪に手ェ出した真ちゃんに
オレがめっちゃ怒って雪が呆れた顔して見てるんだ
想像つくだろ？」

真一郎「...っ」



ワカが笑みを浮かべた
対して真一郎は咽び泣いた




若狭「そんで雪が高校卒業したら
真ちゃんが雪を嫁に下さいって
オレに頭下げに来て雪も真剣な顔して頼み込んでくるから
オレは仕方なく許可して
そしたら式場とか決める話にいつものメンツが巻き込まれてさ

真ちゃんは雪のウエディングドレス姿見て大泣きするんだ
結婚式は親がいねぇからオレが父親役やって＿＿＿」


真一郎「ワカ...っ」





若狭「ちょっとしたら雪から子供できたって
報告されてさ真ちゃんだけじゃなくオレらも泣いて喜んで
一層過保護になったオレらに雪が心底面倒くさそうな
顔して呆れ返ってんだ」




真一郎は泣きながらワカの胸倉を掴んだ


真一郎「もう、やめろよっ！！つらいんだよ！！
そんなっ...あったかもしれない未来の話とか！
今のオレには何も出来ねぇのにそんな話すんなよ！！
雪...オレのせいで死ぬかもしれねぇんだぞ！？」





ワカはそんな事を言う真一郎を真っ直ぐ見て言う



若狭「あったかもしれない？
この世界だったら、きっと叶うはずの未来だろ？」

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