東卍の白豹Part2

80話:揶揄いと甘い香り ページ35

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雪は熱くなった頬を冷ます為に
少し冷ためのシャワーを浴びてから風呂から上がる

タオルドライした髪にヘアオイルを付けて髪を乾かし
保湿等のスキンケアを念入りにする




洗面所から出て部屋を見ると既に真一郎はいなくて
食べ終わった皿やそのままにしていた鍋とかが
片付けられていた


『片付けてくれたンだ...
私がするから気にしないで良かったのに』





そう呟きながら1階に降りていく

裏口に続く薄暗い通路が店の照明で少し明るくなっていた


ひょこっと顔を出すと、相変わらず同じ場所で
真剣な顔をしてバイクに向かっている真一郎がいた

雪は真一郎の側に行くと、横にしゃがみこんだ




『真一郎君、お皿片付けてくれてありがと』

真一郎「...！？」



ふわりと甘い香りがした
雪が愛用してるヘアオイルの匂いだった

“変わらない”ソレと、雪の格好に目を見開いた


黒のタンクトップと短パンというラフな格好をしていた
屈めば胸元が見えそうなソレに真一郎はバイクから
雪に意識を向けた




真一郎「なんて格好してんだ！」

『ん？家と同じカッコだけど？
それにコレなら涼しいからサ
私、暑いと寝れないの』

真一郎「そーいうことじゃ...
はぁ、危機感なさすぎだろ」

『女の子に耐性つけとかないと彼女できないヨ？
これぐらいで襲うなンて長続きしないぞ〜』

真一郎「うっせー、余計なお世話」

『余計なお世話とはなンだ、23にしてドーテーの真一郎君』

真一郎「女の子がそういうこと言うんじゃねぇよ！」

『ふふ、真一郎君はイジりやすいナァ
兄さんが言ってた通り』


真一郎「こんの雌豹が...っよく喋るな
男舐めてっと痛い目見んぞコラ」





真一郎は雪に顔を近づけると、コツンと額を合わせた
さっきまで余裕そうにニヤニヤしていた雪が
ピシッと固まる
それから目を見開いて、みるみる間に顔を赤くした



『ぇ...っ？ぁ、しんいちろ、くん？』

真一郎「お、固まったな
先に揶揄ったのは雪だからな？」

『〜〜〜〜ｯ！！』

真一郎「...」




真一郎は揶揄うだけで終わらせようとしていたのに
雪の反応になんだかゾクゾクして止めれなかった

そのまま顔を下げると、首元に埋める
雪がビクッと肩を跳ねさせた


ふと、鼻を掠めた甘い匂いに呟く




真一郎「...ベルガモットとカシス」

『！！私の使ってるヘアオイル知ってンだ...
もしかして詳しいの？』

真一郎「“ずっと”使ってるだろ」

『え？』

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