蝶が22頭 ページ28
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与「へ…?」
貴「思い、出せない…今日の、記憶…なにもかも…」
与「A…?」
貴「私…何で外に出たんだっけ…?」
与「何でッて…診療所にカルテ届けに行ったンだろ?」
貴「あ……」
ズキンッ
先刻より鈍い痛みが走った。
そうだ、私…カルテを……
貴「横断歩道渡って…2つ目の信号を右…
カフェ…白い柵のカフェ…を左。
小道を通り抜けた右、真っ直ぐ歩いて診療所…」
与「大丈夫、かい…?」
貴「真っ直ぐ歩いて診療所!診療所!!」
ズキンズキンズキンッ
思い出そうとすればする程痛みが激しくなる。
だが、浮かび上がるように頭の中を駆け巡る私の記憶は、容赦なく「私」を混乱させた。
___『いらっしゃ…あ!与謝野ちゃん!!』
___『与謝野女医、おはようございます』
貴「ゆ、ゆみちゃん…つかささん…
…………?!」
一瞬、自分が自分でないような気がした。
自分が何処にいるのか、はたまた自分が何なのかも忘れ、只々目が廻った。
真っ白な診療所で笑顔で話しかけてくる2人___
___そして、"ケンショウキン"の言葉。
目の前で電撃が走ったようだった。
そして同時に、先刻まで酷く痛んでいた頭が嘘のようにスッキリした。
貴「有川、浩…!」
与「あ、あああ有川?!」
貴「お、おおおお思い出した!!
有川だ!!いやあああ思い出したあの馬鹿野郎だ!!
こんの部下想いのクソ野郎め次会ったらまじで5回は殺 す!!」
与「一寸待って落ち着いて黙って座って!!」
お姉ちゃんに言われて初めて気付いた。
いつの間に私ベットの上で立ってたの無意識なのなんなの。
与「それで…有川って…」
貴「そうです有川浩です」
与「有川が…Aを……?」
貴「待ってお姉ちゃんお願いだから殺気収めて動けない」
私は取り敢えず思い出せたところまでをお姉ちゃんに聞かせた。
だが1つ疑問が…
貴「……私なんで帰ってこれたの?」
与「は?」
貴「…お姉ちゃん綺麗だよ」
与「寝ろ」
1つだけ、如何しても思い出せない。
紅眼の有川に首を切られたところまでは覚えているのだが、その後は…?
無意識に脱出して?気づいたら横断歩道?
……はっ、笑えねぇ。
貴「おねーえちゃんおねーちゃんほらーそこーにっ」
与「魔王はいません」
貴「ですよね」
うむむ…と数刻前だろう物事を思い出していた私。
だが医務室の扉の向こうからなんとも喧しい音が聞こえたことによって其れは遮られた。
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白鳥(プロフ) - 主様の作品どれも、とっても素敵です!続き楽しみに待ってますね!推しがぁぁ最高…(´ρ`*)コホンコホンあの…もし良かったら、私も小説を書いてるので見に来て下さい! (2020年9月4日 7時) (レス) id: 356759ad05 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇもか(プロフ) - 茹でトマトさん» ひぎゃあああああ!!私は君のテンションのほうが最高だと思うぜ!!(ゴメンナサイ) 山積みになった課題を半分に消化してから更新したいと思います。この作品、ほかの作品より真面目に作りたいのでもう少し時間を取らせてください(泣) (2020年3月19日 15時) (レス) id: 5212cd622c (このIDを非表示/違反報告)
茹でトマト(プロフ) - ひぎゃああああ面白い!!ストーリー性最高ッッ!!語彙力半端ねぇ…!!更新待ってますうひゃw (2018年7月1日 1時) (レス) id: 8ccd326c83 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇもか(プロフ) - わんわんわわーんわんわんわわーん 応援コメント嬉しすぎて泣きそうてか心の中泣いてるかふぇもかちゃーん♪(調子乗りましたごめんなさい)やっと更新しました遅くなってほんと申し訳ありませんん…!駄文ですが是非読んでいただければ幸いです…!! (2018年6月12日 21時) (レス) id: fa6f70f370 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇもか(プロフ) - 霊華さん» コメントありがとうございます!そ、そそそそそんなこんなの自己満足作品にすぎませんよ…!(笑)見ていただけて本当に嬉しいです!!ありがとうございます!頑張ります! (2018年6月12日 21時) (レス) id: fa6f70f370 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇもか | 作者ホームページ:
作成日時:2017年11月27日 20時