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その5 ページ5

*




伊「超ーきゅるっきゅる〜!」


伊吹さんに昔の写真が見たいと強請られ、交機隊の時の写真を見せた。


伊「え、ロング超いいじゃん。なんで切ったの?」

『邪魔だからです。あと、ナメられないように』

田「前のとこではナメられてた?」

『えぇ、まあ。散々バカにされた』

伊「ひっでーなぁ。同じ警察として許せねえっ」

『こっちに来るときも色々と言われましたよ〜。「お前なんかが犯人追えるのか」って「チビのくせに、チビのくせに」…図体ばっかでかい奴に言われたか無いってのっ』

伊「そうだ!Aちゃんは絶対いい刑事になるっ」

『…昨日会ったばっかですよね』

伊「俺にはわかる。俺の勘は当ーたーるっ」

『…』

志「まぁ、そいつの言うことは気にすんな」

伊「なんでだよっ」

『いや…、ありがとうございます。伊吹さん』


少し笑ってみれば、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をする伊吹さんと志摩さん。


伊「…キュンときた」

『…?』









眠ってしまった陣馬さん、九重さんは放置で、お昼過ぎに解散となった。

官舎に帰宅し、未だ積まれたままのダンボールに目をやる。


『…はぁ、一回寝てからにしようかなぁ』


酔も覚めたが、24時間任務明け。寝たい。

一度寝てからにしようと、部屋着に着替えて布団に入ろうとした時、チャイムがなった。


 ピンポーン

『…はーい』


ドアを開けると先程まで一緒にいた伊吹さん。


『あれ。別々に帰りましたよね。てかなんでここに…』

伊「俺もここの官舎に住んでんの」

『あ。へぇー…ソウナンデスカ』


まぁ、別に不思議じゃない。
独り身用の官舎だし、別に男性専用ってわけじゃない。


『それで、なにか?』

伊「なにも?札が神代だったからもしかして〜と思って。あいさつ」

『…どーも』

伊「俺2階だから、いつでも遊びに来てね!」

『あぁ、、気が向いたら伺いまーす』

伊「じゃぁまたね」

『お疲れさまでしたー』


本当に軽くあいさつして帰っていった。


『…なんか、目が覚めたな。荷物整理しよ』


一つのダンボールを開き、中の物を出していく。
中からでてきたのは、引っ越しの際に持っていくか一番悩んだ一冊のアルバム。


『…』


開こうとしては、躊躇してやめてしまう。

これをもう、何百回と繰り返してきた。


『っ…(まだ、見れない…)』


それは、本棚の目の届かないところに仕舞われた。




*

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作者名:まとい | 作成日時:2021年9月5日 22時

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