志摩一未の思い その3

【if cry】代わりに（伊吹） ページ20

『ゼロ』その7BADエンドのあと

*





あの後のことはよく覚えてない。

気がつけば警察で事情を聞かれていた。


事件解決して、あれから一ヶ月。4機捜は解散。

俺は奥多摩に戻され、陣場さんは1機捜に、九ちゃんは警視庁に行き、隊長も西武蔵野署に異動。

Aちゃんは、警察を辞めた。


伊「あ、やっぱりいたー」

『…伊吹さん』

伊「もー、九ちゃんも陣場さんも隊長も心配してたよ？誰かひとりにくらい連絡返してよ」


拗ねたように言えば、力なく笑い『すみません』と一言言った。


『…今日は、非番ですか？』

伊「無理言って休みもらった。月命日だからな」

『…』


【香坂家】の隣に【志摩家】の墓。


伊「…向こうでも相棒やってんのかなぁ」

『さぁ…どうでしょうね』


スっと立ち上がると、墓地を後にするAちゃん。
それを追いかける。


伊「ねぇ、家来ない？」

『いえ、今日は遠慮します』

伊「えーなんで？今日じゃなきゃいつ来てくれるの？」

『さぁ…』

伊「…」


Aちゃんは、すっかり生気を無くしてる。

大切な人、ふたりも無くしちゃ…ね。


伊「…Aちゃんさぁ」

『伊吹さん、なんで警察続けてるんですか？』

伊「え？」

『…みんな、なんで警察続けてるの』

伊「…」

『また、なくしちゃうかもしれないのに…』

伊「A、」

『平気なんですかね。結局…伊吹さんにとって、一未くんはただの相棒で、大切じゃ』

伊「大切だよ！大事な相棒だったよ！」

『…』

伊「…平気じゃないよ。でも近くにこんな悲しい顔してる子の前で、俺まで泣くわけにはいかないっしょ」


顔を歪ませるAちゃんを腕に収めた。


伊「俺に、居させて。俺言ったんだよ、次泣かせたら俺が貰うって…あいつ何回泣かせてんだよ、、」

『っ…』

伊「都合よく使っていいから。志摩の代わりでいいから…Aちゃんの傍にいさせて。俺呼ばれたらどこでも飛んでくから」

『…伊吹さん、』

伊「俺がいるから」


代わりでもそばにいたい。



END

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