09.それから ページ9
*
あれから、毎日のように剛くんから連絡が来た。
言われたとおり5分以内の返事を守った。
源「…最近スマホ触ってること多くないか?」
『っ…あ、ごめん。…この前、源ちゃんがANNで結婚のこと話したから、友達と話が盛り上がっちゃって』
源「そっか」
なんの疑いもない笑顔を向けられると苦しくなる。
言ってしまえば楽だろう。
嫌われても、別れることになっても。
でも、離れたくなかった…。
源「ね。ご飯食べいくか」
『あ。うん』
源ちゃんと夕食を食べに外に出た。
適当にファミレスに入りメニューを眺める。
源「何食う?」
『うーん…』
メニューを眺めていると、後ろから聞きたくない声がした。
剛「あ、源ちゃん」
『っ…』
源「おー、剛くん。どうしたの?」
剛「たまたま〜」
源「ちょ、なんでAの隣座るのー」
と、自然に隣に座ってきた剛くんにすかさずツッコミを入れる源ちゃん。
剛「んふふ〜、いいじゃんいいじゃん」
『…』
一言言っては見たものの、それ以上は何も言わない源ちゃん。
結局隣に座ったままの剛くん。
それぞれ料理を頼み、運ばれてきたものを食した。
『…』
源「A静かじゃん」
剛「だねー。おれが隣に来たから?」
『あ、はは…』
それでも構わず、源ちゃんと剛くんはいつものように談笑していた。
その時、足に触れるもの。
『っ…!』
驚いて下に目をやると剛くんの手が触れていた。
向かいにいる源ちゃんは、机の影になって見えていない。
徐々に上がってくる手を思わず掴んで止めたが彼の手はゆっくりと撫でていく。
帰りたい、そう思った時、源ちゃんが時計を確認した。
源「そろそろ帰ろうか。明日早いし」
剛「…そうだね」
『…』
剛くんと別れて安心したのもつかの間。
スマホが鳴って見てみると、剛くんからだった。
運転する源ちゃんを横目に見ながらメッセージを開くと
「明日の夜、泊まりに来てね」と言う内容だった。
『…』
*
43人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まとい | 作成日時:2020年12月15日 2時