【MIU404】 善 と 悪 - 善から悪へ -

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◆Aside



『…』


久住さんがお風呂に入っている間、クリーニングに出す洋服を選別していたら
久住さんの上着のポケットからいくつか透明の小袋が出てきた。

袋の中にはカラフルな丸い穴の空いた物。
最近、久住さんが持っているのをよく見る。


『何だろ、コレ』


お菓子だろうか…。





◆久住side



久「A？なにしてん」

『あ。クリーニングに出す洋服分けてて』


『久住さん、これなんですか？』

久「…なんでそんなもん持ってんねん。アカンよ」


どこから持ってきたのか、明日香の手にはドーナツEPの入った小袋。
そっと明日香の手から取り上げポケットにしまう。


『上着のポケットに入ってました。なんですか？それ。よく見ますけど』

久「気にせんでええねん。明日香には縁のない物や」

『ふーん』

久「…こっち来ぃ」


手を引いてソファーに座ると膝の上に向かいあわせで明日香を座らせた。


久「なぁ明日香」

『はい？』

久「ずーっと、ここにおってくれるか？」

『…はい！』


一度キョトンとした顔からまた笑顔になり答えた。


久「ホンマに？」

『ホンマです』

久「はははっ！」

『だって、久住さんは私のヒーローですから』

久「…ヒーロー」

『エトリから助けてくれた。ヒーローです』

久「…そうかぁ、ほな約束やで」

『はい』

久「ええか、ひとりで外に出たらあかんで」

『はいっ』

久「ええ子や」

『あ。でもお買い物はいいですよね？』

久「あかんよ」

『えー』

久「えー、やない。この前あんな目にあったのにようひとりで出ようとするなぁ」

『んふふ、でもまた何かあったらちゃんと助けてくれるんですよね？』

久「ふ…」


軽く笑うと、頭を引き寄せキスをした。


久「当たり前やん」

久「Aは大切なんやから」


俺の言葉に嬉しそうにするのが好きだった。


久「好きやで」


何度言っただろうか。

本心だって、ちゃんと伝わってるだろうか。


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