雪 (青) ページ25
今日はさぶいなぁ・・・こんな日は誰かの温もりが欲しくなる。
「なぁA出てこーへん?」
「えー雪降ってるしなぁ・・・」
「めっちゃキレイやで」
「今何処?」
「仕事終わって帰る所、そっち寄って拾ったるから」
「解った、待ってるね」
タクシーで着いたよと連絡が入り、急いで下へ降りる
「ごめんね、お待たせ」
「大丈夫やで」
「じゃ、そこの橋の手前で降ろしてもらえますか?」
「えっ!まだ章大の家まで遠いよ」
「ええやん、たまには雪の中一緒に歩こうや」
「マジで言ってる?」
「勿論」
ありがとう、タクシーの運転手さんにお礼を言い車を降りる。5センチ位積もった足跡の無い道を楽しそうに歩く
「章大寒いよ・・・」
「ほら、これで寒ないやろ?」
ぶっきらぼうに手を差出して、私の手をぎゅっと握る
「うん」
まだ雪が降り続いている、数年ぶりの大雪に寒さも忘れて銀世界を楽しんでいた。
「きれいやなぁ・・・こんなん部屋に籠っててみぃひんなんて、絶対損やろ?」
「本当だねー、ありがとう章大」
「あははっ・・・Aのまつ毛に雪積もってんで(笑)」
「それ言ったら章大の帽子の上雪だるまみたいな形してるし(笑)」
「ウソやん(笑)」
パシャ「ほらね」
「ほんまやな、自然のイタズラやな」
通りの脇に大きな空き地があって誰も歩いていないキレイな所を見つけると、章大が目を輝かせて、こっちを見る
「危ないから、ダメだよ(笑)」
「一緒に行こ、わぁぁー」
手を引かれ、雪にダイブ・・・
「見て、ひとがた(笑)」
「実は1度はやってみたかったの」
「こんなん1人でやってたらアホやろ」
「そうだね、一緒で良かった」
その後雪合戦をしたり、個性的な雪だるまを作ったり全身真っ白になった。
歌ったり笑ったりしながら章大の家に向かった。
「さすがに冷えたなぁ・・・さぶっ、すぐお風呂入ろ、あかん風邪ひくわ」
「雪合戦で汗かいたからね(笑)」
「部屋なかなかあったまらんな」
小刻みに震えて、唇も真っ青になってきた
「先にシャワーだけでも浴びたら?章大風邪ひいたら大変」
「それ言うたらAもやんか、一緒に入ろ、温かいから」
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作者名:BLUE ako | 作成日時:2018年1月7日 0時