２２ ページ23
*
バレンタイン当日でも。
朝は、いつもの朝だった。
鞄にピンクでラッピングされた。
正方形の箱を詰め込む。
昨日。
夜に、紫耀から来たLINEは。
”明日話ある”
って。単調な文だけだった。
皆んなどことなく、そわそわしてる。
ように見えるのは。
きっと、私自身がそうだからで。
あや「おはよー。」
だから。
余りに通常のテンションなあやちゃんに。
「……お、おはよ。」
びっくりを通り越して。
尊敬してしまう。
「あ、あやちゃんはいこれ。」
あや「え、わ。要らんのにー。」
「何てこと言うの。」
あや「作ったん？」
「いや。今年は買った。時間なくてね。」
あや「ならば有難く頂こう。」
「何それ。」
あや「あ、お返しホワイトデーでええ？」
「え、くれるんや。」
あや「貰ったもんは返さな。」
「義理人情？」
あや「そんなとこ。」
袋に入ったそれを、
丁寧に鞄にしまいこんだあやちゃんが。
目線を上に上げて。
あ、って声を漏らす。
「ん？」
あや「あ、いや。
うち課題やってへんから。先行くな。」
「……へ、あ、うん？」
珍しいな。
あやちゃんが課題やってないなんて。
頭も良ければ顔も良し。
ついでに課題なんてやらなかった試しないし。
先生人気５位内確実な彼女にも。
そんなことは、あるのか。
……なんて。
感心してる暇じゃない。
あやちゃんが、課題忘れる訳ないし。
ってことは。多分。
「あ」
平野「あ」
私に、気を遣った。
ってことか。
平野「……おは、よ。」
「おはよ。」
隣に並ぶべきか。
いつもなら。そんなことで悩まないのに。
今は、些細なことが凄く気になって。
躊躇う動きを、見兼ねてか。
歩くスピードを緩めた紫耀が、
隣に並んで歩き出す。
平野「……あの、さ。」
「……」
平野「ごめん。昨日。」
「……ん、」
ポツリポツリと、吐き出された声は。
何だか、掠れてる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 622人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
渋 谷 ク リ モ(プロフ) - いえいえです！これからも更新頑張って下さいね！ (2016年4月8日 19時) (
レス) id: 204a553724 (このIDを非表示/違反報告)
紀衣(プロフ) - 渋 谷 ク リ モさん» ありがとうございます！ファンだなんて…うれし限りです！！(>_<) (2016年4月8日 5時) (レス) id: d7c93b1180 (このIDを非表示/違反報告)
渋 谷 ク リ モ(プロフ) - 一昨日 、Twitter フォローさせていただきました！紀衣さんのファンです(>_<) (2016年4月8日 1時) (レス) id: 204a553724 (このIDを非表示/違反報告)
紀衣(プロフ) - ありがとうございます！わわわ。そう言って下さると嬉しいです！良かったら新作も覗いて下さいね(*^^*) (2016年3月13日 21時) (レス) id: d7c93b1180 (このIDを非表示/違反報告)
Kなゆ(プロフ) - 紀衣さん完結おめでとうございます！めっちゃ面白かったです。終始ハラハラドキドキしながら読んでました。新作の方も頑張って下さい！ (2016年3月13日 17時) (レス) id: 0c6d5c72fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紀衣 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/akomot11221/
作成日時：2016年2月7日 0時
