40話 ページ41
連れてこられたのは赤の教会だった。
途中、どこまで歩くんだろうと思っていたがまさかフィールドにまで来るなんて。
神父のいない祭壇、その奥に構えるキリストの磔刑像。
透明な飾り気のないステンドグラス。薄暗く灯る蝋燭。
祈りの空間、そして愛を誓う場所でもあるこの教会は厳粛な雰囲気に満ちていて。
私たちはレッドカーペットの上でふたり、向かい合っていた。
「こんな所まですまないね」
「ううん、大丈夫だよ！それで、話って何……？」
「ああ、早速だが手を出してくれるかい？」
言われた通りに右手を開いてはルカに差し出す。
ルカは自身の工具入れから小さな小包を取り出し、手のひらに乗せた。
ちょこんと手の上に乗る白い箱には、赤いリボンが綺麗にラッピングされていて。
「……私からの誕生日プレゼントだ。
君にはいつも世話になっているからね。
気に入ってもらえるかは分からないが……」
きまりが悪そうに視線を逸らし、頰を掻くルカ。
ーー嬉しい。
まさかまたルカに誕生日プレゼントを貰える日が来るなんて！
私にとってはルカがくれたものなら何だって嬉しい。
喜びが込み上げ、心と体を満たしやがて外へと溢れていく。
あぁ、きっと今年の誕生日はずっと忘れられないものになるだろう。
嬉しくて、嬉しくて頰が緩み切ってしまいそう。
きっとこのままだとルカの前でだらしない顔をしてしまう。
そうならないために口元に力を入れ、直線に結ぶ。
中に何が入っているのだろう。
「ありがとう……！！ねぇ、開けても良い？」
ルカの顔を見つめ訊ねると、「いいよ」と頷く。
丁寧に巻かれたリボン。それをほどくのは少々もったいないような気がして。
いや、違う。このまま開けない方がもっともったいない。
一瞬躊躇はしたが、やがて慎重に真紅のリボンを解いていく。
飾りのなくなった純白の箱。その中身を暴くためそっと蓋を開ける。
「きれい……！」
箱の中央に眠っていたのは橙色の宝石だった。
その宝石は覆うものが無くなった途端、きらきらと輝き圧倒的な存在感を見せつける。
私の目はその橙色に釘付けだった。美しい。
宝石なんてまともにみたのはこれが初めてかもしれない。
「少々不恰好かもしれないが、一応形にはなっているはず……」
「え、これルカが作ったの！？」
待って、もしかしてこれ、と思った刹那。私はルカの言葉を遮り、大きな声を上げた。
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たまごさん(プロフ) - れみこさん» えっご存知でらした…?嬉しいです…。ビクターくんのほうもご覧になってくださっていて本当にありがとうございます…。れみこさんのビクターくんも見てきました、世界観がとても好きです。素晴らしい作品をありがとうございます。 (2020年7月21日 17時) (
レス) id: e187441fa2 (このIDを非表示/違反報告)
れみこ(プロフ) - たまごさんさん» たまごさんだ！！ありがとうございます！！私、たまごさんの書くルカ君好きです！可愛い！あとビクター君の遺書の作品は泣きました……。ありがとうございます！更新出来るときはガンガンしていきます！ (2020年7月19日 23時) (レス) id: f32edadf87 (このIDを非表示/違反報告)
たまごさん(プロフ) - このルカくんも良きですね…。私もアラサー設定好きですよ。これからビクターくんのほうも見てこようと思います、応援してます。 (2020年7月19日 15時) (レス) id: e187441fa2 (このIDを非表示/違反報告)
れみこ(プロフ) - 沙羅さん» コメントありがとうございます！！うおおそう言っていただけると嬉しいです…！！更新頑張っていきますね！！ (2020年7月19日 12時) (レス) id: f32edadf87 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ルカくんのお話増やしてくださってありがとうございます…！お兄ちゃんなルカくん、大人な格好いいルカくん…！好き過ぎてニヤニヤとトキメキが止まりません…(( 更新、楽しみにしております…！ (2020年7月19日 0時) (レス) id: 3aa856ffa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れみこ | 作成日時：2020年5月28日 3時
