24話 ページ25
真夜中、誰もいない音楽室。
外に音が漏れないのをいいことに、私はひとりピアノを奏でていた。
夢中で鍵盤を鳴らしていると突如聞こえたノック音。
誰かがここに訪れたのだ。
もうだいぶ夜も更けていた。
流石に部屋に戻れと荘園主が伝えに来たのだろうか。
ピアノを弾く手を止め、静かに扉を開けた。
「ルカ……？」
扉の先には白い七分袖のTシャツ、黒いズボン、
おそらく寝間着姿であろうルカが立っていた。
「こんな時間にどうしたの？」
「少し、眠れなくてな」
ルカは扉を閉めると備え付けのソファーへと向かう。
私もそれに付いていき、隣に腰掛けた。
寝間着姿のルカを見たのはこれが初めてかもしれない。
それに普段結っている髪が下ろされている。
その肩にかかる髪と、Tシャツの襟からのぞく鎖骨。
この２つの要素は彼の持つ"色気"をより際立たせていた。
いつもと違うルカの姿。
その姿を脳裏に刻みつけようと私の目が彼を捉えて離さない。
「……私の顔に何かついてるのか？」
熱烈な視線に気まずくなったらしい。
きまり悪そうに頬を掻き、ルカが口を開いた。
「う、ううん！髪下ろしてるの新鮮だなって」
「そうか？まあ確かにあまり人に見せたことはないな」
毛先をいじりながらルカは言った。
「そっか……髪下ろしてるルカ、かっこいいよ。
ふたりきりだと、なんかちょっとドキドキするな」
あれ、今私すごく恥ずかしいことを言ってしまったような。
ぽぽぽ、と効果音が付きそうなくらい赤く染まる頰。
それを誤魔化すように手でぱたぱたと仰ぐ。
ルカはそんな私を見て小さくため息をついた。
「……あまりそういう事は言うのは良くないな。
時間も時間だし、一応私だって男だぞ」
「そうなの？どうして？
一応って……私、ルカが男なのはちゃんと知ってるよ？」
「いや……そうではなくて……。
まあそもそもこんな時間に会いに来た私が悪いと言うか」
なんというか……とルカは１人でぶつぶつと呟き始める。
ルカの発言の意味が分からない。
褒めたのがダメだった？
時間も時間ってどういうこと？
ただただ頭にはてなを浮かべる私と、
同じように困惑したような表情のルカ。
音楽室の空気が一瞬にして気まずくなっていく。
しばらくして、その空気を変えるべくルカが口を開いた。
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たまごさん(プロフ) - れみこさん» えっご存知でらした…?嬉しいです…。ビクターくんのほうもご覧になってくださっていて本当にありがとうございます…。れみこさんのビクターくんも見てきました、世界観がとても好きです。素晴らしい作品をありがとうございます。 (2020年7月21日 17時) (
レス) id: e187441fa2 (このIDを非表示/違反報告)
れみこ(プロフ) - たまごさんさん» たまごさんだ！！ありがとうございます！！私、たまごさんの書くルカ君好きです！可愛い！あとビクター君の遺書の作品は泣きました……。ありがとうございます！更新出来るときはガンガンしていきます！ (2020年7月19日 23時) (レス) id: f32edadf87 (このIDを非表示/違反報告)
たまごさん(プロフ) - このルカくんも良きですね…。私もアラサー設定好きですよ。これからビクターくんのほうも見てこようと思います、応援してます。 (2020年7月19日 15時) (レス) id: e187441fa2 (このIDを非表示/違反報告)
れみこ(プロフ) - 沙羅さん» コメントありがとうございます！！うおおそう言っていただけると嬉しいです…！！更新頑張っていきますね！！ (2020年7月19日 12時) (レス) id: f32edadf87 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ルカくんのお話増やしてくださってありがとうございます…！お兄ちゃんなルカくん、大人な格好いいルカくん…！好き過ぎてニヤニヤとトキメキが止まりません…(( 更新、楽しみにしております…！ (2020年7月19日 0時) (レス) id: 3aa856ffa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れみこ | 作成日時：2020年5月28日 3時
