38話 ページ39
あれから１ヶ月と数週間が経った。
それでも友達以上恋人未満、私たちのこの関係は変わることなくて。
ルカは私のことをどう思っているのだろうか。
周りはきっとルカも私が好きなんだと言っている。
みんなの言う通り、ルカは私に少なからず好意を持ってくれているとは思うのだけど、
彼は一向に私に好きだと告げることはなかった。
それに、ルカは以前に比べて部屋に籠っている時間が増えている。
食事のときでさえ、姿を現さないこともざらにある。
そんな彼を見かねて大丈夫かと訊ねたこともった。
不安そうな私にルカは発明がいい感じに進んでいるんだ、と笑った。
ーー違和感。
ルカのことを信じてないわけじゃないけれど、なにか違う気がする。
なにか隠しているような、本当は別の理由があるような。
本当に？と深入りしたくなったがぐっと堪えて、私も笑った。
もう本人に聞くことを諦めて、ビクターやアンドルーにこっそり聞いたこともあった。
だけど彼らも大丈夫だと曖昧に笑うだけ。
何か隠されているような気がする。
ルカや周りが大丈夫というならそうなのだろうと分かっているけど、
拭いきれない不信感と不安。
嫌だな、どうして何も話してくれないんだろう……。
「A、どうしたのぼーっとして」
中庭で一人、物思いにふける私を現実に引き戻すマーサの声。
「あ……ごめん」
「大丈夫？なにか考え事？」
「うん……ルカ、大丈夫かなって」
「ルカ？何か言われたの？」
眉をよせ、怪訝そうに首を傾げた。
「ううん。ルカ、最近部屋に籠ってること多すぎるような……。
聞いても何にも話してくれないし、心配だなって」
「あー……確かに言われてみればそうかも」
顎に手を当て、考える仕草を取るマーサ。
さぁ、と風が通り抜け、花々や草木が揺れる音が鳴る。
背中をさする心地よい温度。
マーサはしばらく考え込んでから、私の肩に手を乗せた。
「……まあ、大丈夫じゃない？
部屋に籠ってる理由は何となく察しがついたわ」
「え、そうなの？」
「ええ。あなた、明日誕生日でしょう？」
彼女の言葉で思い出した。そうだ、明日は私の誕生日だ。
でも、どうしてそれとルカが部屋に籠る理由が結びつくのだろうか。
「きっと、色々と準備してるんじゃないかしら」
ふふ、とマーサは穏やかな笑みを浮かべる。
なるほど、彼女の言いたいことがわかったような気がする。
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たまごさん(プロフ) - れみこさん» えっご存知でらした…?嬉しいです…。ビクターくんのほうもご覧になってくださっていて本当にありがとうございます…。れみこさんのビクターくんも見てきました、世界観がとても好きです。素晴らしい作品をありがとうございます。 (2020年7月21日 17時) (
レス) id: e187441fa2 (このIDを非表示/違反報告)
れみこ(プロフ) - たまごさんさん» たまごさんだ！！ありがとうございます！！私、たまごさんの書くルカ君好きです！可愛い！あとビクター君の遺書の作品は泣きました……。ありがとうございます！更新出来るときはガンガンしていきます！ (2020年7月19日 23時) (レス) id: f32edadf87 (このIDを非表示/違反報告)
たまごさん(プロフ) - このルカくんも良きですね…。私もアラサー設定好きですよ。これからビクターくんのほうも見てこようと思います、応援してます。 (2020年7月19日 15時) (レス) id: e187441fa2 (このIDを非表示/違反報告)
れみこ(プロフ) - 沙羅さん» コメントありがとうございます！！うおおそう言っていただけると嬉しいです…！！更新頑張っていきますね！！ (2020年7月19日 12時) (レス) id: f32edadf87 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ルカくんのお話増やしてくださってありがとうございます…！お兄ちゃんなルカくん、大人な格好いいルカくん…！好き過ぎてニヤニヤとトキメキが止まりません…(( 更新、楽しみにしております…！ (2020年7月19日 0時) (レス) id: 3aa856ffa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れみこ | 作成日時：2020年5月28日 3時
