episode4 ページ5
「じゃあ、俺が先に入るから呼んだら来てくれ。」
「は、はいっ!!」
理音さんは、教室に入って行った。
ていうか、何よこれ!
マジで漫画的展開なんですけど!!
男子校で男装することになって…。
ああ、もう意味わかんない!!
私は、教室の中を盗み見る。
ってか、呼ばれるまで私はここでオフェンスしてりゃいいのっ!?
ドアの前で突っ立ってるなんて、変人すぎる!!
「…た」
ああ、もう、誰にも見られてないかなー?
「……ぃ、宮田」
もう、前髪整えとこ。
鏡を手に持った時、ドアが勢いよく開いた。
私は、いきなりのことへの驚きで鏡を落とす。
「もー、何ですか?理音さ…!」
理音さんは、眉をぴくぴくさせながら凄い形相で私を睨んでいた。
「え?え…?私、何かしました??」
「何回も、呼んでるんだが」
声を荒げていないものの、気迫が伝わってきた。
「さ、殺気が…」
やばい、殺られる!!
「こーら、はら先。やめなって、怖かってんじゃんか!」
茶髪をセンターわけした少年が理音さんを止めた。
「大丈夫?」
「は、はいっ!」
わー、イケメンや。
困ったように下がる眉。
優しい甘さが含められている口角。
「良かった。はら先、こういうのガチで怒るタイプだからさ」
耳元に口を寄せて話しかけてくる。
「あ、あああああっ、あのっ!」
ひ、非常に美味しい状況だが、私の心臓がもたない!!
「あ、ごめん」
そう言って、イケメン君は私から離れた。
「てか、教室入んなよ」
私は、慌てて頷く。
教室に入ると、みんなの視線を感じて、むず痒かった。
「…自己紹介」
理音さんの低い声に恐れをなしながらも私は、なるべくはった声で言った。
「花野高校から来ました。宮野Aです。よろしくおてがいします!」
頭を下げてからみんなの顔を見ると、みんなの顔は「は?」という顔をした。
え、私なんかした…?
「花野高校って…、女子校だよな?」
げっ、早速やらかした!!
続く
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