episode2 ページ3
「やっぱり…、男子校に編入なんて無理?」
すぐに頷く。
「何ダァ、テメェ俺にしたこと忘れたのかよ」
忘れていませんとも。
「そ、そのっ、幾ら何でもいきなり編入は…。」
私は、俯きながら言った。
「私には、友達も明太ソーダもいる(ある)。それに何より…。」
花咲さんは、「ソーダ?」と少し傾げていたけど、
私の話を静かに聞いていた。
「私っ、男性が苦手なんですッ!!」
「ええっ!?」
花咲さんが唖然と口を開ける。
「ど、如何するのよ!理音!」
桐原さんに訴えかけるが、桐原さんは真顔で告げた。
「それがなんだって言うんだ」
「へ?」
「男嫌いがなんだって言うんだよ。マイナス思考はやめろ。プラスで考えろ」
ぷ、プラスって言われても…。
「在学中に男嫌いが克服出来るかもしれねぇだろ」
「な、なぬーーーーーっ!?」
その考え、横暴すぎません!?
「ま、待って下さい!そんなの無理ですよ!!私、中学からずっと女子校で!男子と話したの父を除けばコンビニの店員以来ですよ!?しかも1年前!!」
あれ、でも桐原さんって男か…。
そ、そんなことより!!
「克服なんてできるわけありません!断固拒否します!!」
私は、胸の前で罰じるしを腕でつくる。
「ああ、そうか。なら仕方ねえなあ。このスーツ、弁償して貰うからな」
「ええ!いいですともっ!」
「じゃあ20万。」
「はい?」
「20万」
ニジュウマン…?
ナニソレオイシイの?
「でええええええええぇぇええええええええ!!??20万ー!?」
「ああ。今すぐ払え」
「今すぐっ!?」
意識しているのかはわからないけど、眉を寄せ、さらに恐い顔になる。
「勿論だろ。お前が返す保証もねぇってのに。」
「ぐっ…!で、でも!20万なんて高すぎはしませんか!今時そんな高いスーツなんてっ!」
「いや、幾らでもあるわよ。これでも、結構いいとこのお坊ちゃんなんだから。」
花咲さんが桐原さんの肩に手を置きながら言う。
マ・ジ・デ…?
「……り…」
「あ?」
「無理です!今すぐになんて払えません!親に出して貰うにしても親は海外で、家にはいないんで
す。いるのは御手伝いのトメさんくらい!!今から親にお金を送ってもらうにしても…、今すぐには絶対に渡せません!」
「じゃあ、体で払うしかないだろ」
ヒィィィ、凄い目つき!
「わ、かりました!男子校でも何でもうけてたちます!!」
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