episode1 ページ2
「だからぁ、こいつがいいんじゃないすかって言ってんすよ」
「あのね、いきなりだとびっくりしちゃうと思うのだけれど…。この子は承諾してるの?」
「してるって言ってるじゃないすかっ!」
「でもねぇ」
何でこうなったんだ…。
厳つい人相のお兄さんにここ連れてこられて…。
多分、学校だと思うけど…。
ま、そんなことより。
この、綺麗なお姉さんは誰なんだろう…。
私は、女性の顔をチラ見する。
うわぁ…、見れば見るほど綺麗。
て、うわぁお!!
胸デカっ!!
思わず女性の胸をガン見してしまう。
多分私の2倍はくだらないよ…!!
女性が私の視線に気付いたらしく話しかけてくる。
「えっと、」
「宮野です。宮野Aです」
恐らく名前がわからないのだと思い、言う。
「宮野さんね、ありがとう。私は花咲舞子。宜しくね」
うわ、名前がおしとやかさを表してるなぁ。
花咲さんが男性を軽く見やる。
「貴方はもう自己紹介したのよね?」
男性は、「いや、」と短く答えた。
「言ってないっす」
「えっ?名前も言わないで連れてきたの?下手したら誘拐だと思われていたかもしれないわよ!」
腰に手を当てながら言う。
すると、男性がこちらに向いた。
「俺は桐原理音。よろしく頼む」
「は、はい」
り、りおん?
なんか、剛志!!みたいな名前かと思ってた…。
「あの、そんなことより…。私、どうしてここに連れてこられたんですか?その、桐原さんにしてしまったことは申し訳なかったと思いますけど…。私、学校に行かなくちゃいけないんです」
「学校…?理音に何も聞いていないの?」
私は桐原さんをチラリと見て頷く。
「ちょっと理音?どういうことかしら。承諾してるも何も話すら聞いていない反応だけれどっ!?」
花咲さんが多少、声を荒げながら言う。
「そりゃあ、そうだ。言ってないからな」
「なんですってぇ?」
う、花咲さんも怒ると恐いな…。
「あの、話って何の…?」
花咲さんがこちらに振り向いて優しく微笑んだ。
「そうね、こっちで勝手に話を勧めてごめんなさい。ここは全寮制の男子校なの」
「男子校…」
「ええ。だけど来年共学にすることになったのよ」
来年かぁ…。
「でも、私がここにいる理由は?」
「創立からずっと男子校だから、いきなり共学だなんて女の子達には難かもしれないでしょう?だから、1人女の子に入学してもらって大丈夫かどうか確かめようって話が出たの」
「ま、まさか」
「そ。その役所をお願いしたいのよ」
ど、どうえええええ!?
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