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「大丈夫かースズチャン?」
『黒尾さん…』
お疲れと飲み物をくれる。そしてそのままよっこいしょと隣に座った。
「どう?今日もやるでしょ、特訓」
『あ…はい、そうですね…お願いします』
また転ぶのか…と顔から突っ込む自分の姿を想像して、背筋がぶるりと震えた。
今日は何回ぶつけるだろうか。10回ぐらいで済むといいんだけど。
『……?なんですか?』
ふと、横から視線が向けられているのに気づいた。
もしかして険しい顔してたかな。なんかついてたとか。
そんな考えはすぐに黒尾さんのつぶやきにかき消された。
「いや、思ったより元気そうだったから安心しただけだよ」
『…あぁ、昨日のことですか?』
まぁな、と言って、頭をガシガシとかく。
ぐっと前に体を倒して伸ばしながら、会話を続ける。
「あのまま許されなくても不思議じゃないぐらいの内容だったからな。今日普通にプレーしてて安心した」
この人はこの人で考えててくれたんだな。バレー好きに悪い人はいないということだろうか。
それとも、俺の周りの人たちがみんな良い人なだけなのだろうか。
どちらにしても環境に恵まれていることを実感する。
……これでトサカじゃなくて挑発がなかったら女子にモテモテなんだろうなぁ…
あ、でもそしたら黒尾さんの個性なくなっちゃうかな
「おい、いま絶対失礼なこと考えてるだろ」
『いや別に黒尾さんがモテるのは個性がなくなったときだけだなぁと思ってただけで…』
「めちゃくちゃ失礼だな!!」
『…ふふっ、いえ、いい人だなぁと思ってましたよ』
黒尾さんのノリツッコミが面白くて、つい笑みが溢れる。
あの言葉のあとだったから信憑性がなかったのか、渋い顔をされた。
「…よし。第3体育館行くか。
おーい、木兎、赤葦ー!」
ストレッチを終えて、二人に声をかける。そのまま体育館に直行した。
今日も昨日のように動画を見ては少し跳び方や意識を変えてやってみて、また考えて、を繰り返していた。
二日目に転んだ回数は計15回。10回なんて余裕で上回った。
三日目辺りからは少しずつバランスが取れてきて、なんとかマシになってきた。でもまだタイミングよくボールを打てないし、感覚も掴みきれていない。
そして練習の途中から、月島くんが参加するようになった。どうやら黒尾さんにブロックを教えてもらっているらしい。
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あなくま(プロフ) - あっびーさん» ありがとうございます!気まぐれ更新ではありますが頑張ります!澤村さん直してきますすみません (7月3日 6時) (レス) id: 995ed5925a (このIDを非表示/違反報告)
あっびー - コメン卜失礼します!話とてもおもしろかったです!がんばってください!あと澤村が沢村になっていました (7月2日 15時) (レス) @page5 id: 9335c42a96 (このIDを非表示/違反報告)
あなくま(プロフ) - 怜央さん» ほんとですね…教えていただきありがとうございます!実は前にも消えちゃってたのでまた同じようなことがあるかもしれません…気をつけます! (2022年10月14日 20時) (レス) id: 995ed5925a (このIDを非表示/違反報告)
怜央(プロフ) - コメント失礼します!36話が消えちゃってますよ〜! (2022年10月14日 20時) (レス) id: 8acdf4d0f3 (このIDを非表示/違反報告)
あなくま(プロフ) - ありがとうございます!できるだけ早く更新できるように頑張ります! (2022年10月13日 16時) (レス) id: 995ed5925a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あなくま | 作成日時:2022年9月24日 14時