ちょっとだけ【QK】

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kwmr side


電話が終わって会議室に向かう。
長くなってしまったから急がないと。

会議室のドアの前まで行って、ほうきがたてかかっていることに気づく。



それと同時に聞こえる、荒い息づかい。


それが福良のものだとわかった瞬間、何も考えずに部屋に飛び込んだ。

『福良っ！』



壁際でしゃがみこみ、早い呼吸を繰り返している。


｢かわっ、むら…ﾋｭｯ…はっ、｣

『大丈夫だよ、ここにいるから。 ゆっくり息はいて』



背中を擦りながらゆっくり言う。 大丈夫、と繰り返しながら、福良が落ち着くまで声をかけた。


｢はあっ…はっ……｣

『そうそう、ゆっくりゆっくり。 もしかして、狭いところが苦手だった？』

ドアがしまって開かない状態にあり、中でパニックになっていた福良。状況から察するに、彼はきっと閉所恐怖症なのだろう。

一度も聞いたことはなかったけど。



｢…うん…ごめん…言ってなくて…｣

パニックは収まったが、まだ顔色が悪い。



『福良、体調は大丈夫？』

｢…頭いたい…｣



ぐったりとした様子で唸るように言う。仮眠室に運んで、しばらく休ませよう。


『休めそうだったら寝てていいよ。 掃除もほとんど終わってるし』

｢…どこにもいかないでね…？｣



薬を取りに行こうとすると、そう止められてしまった。

きっといつもなら面倒、で済ませているけど、こんなときだ。
いつも誰よりも頑張っている彼を甘えさせてあげよう。



『うん。 寝るまでここにいるから、大丈夫』



そう言ってやれば、彼は安心そうに眠りについた。きっと次目が覚める頃にはよくなっているだろう。

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