Iife meaning (ページ4)

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男の子の命ページ4

「え…」

僕はとまどった。

殺してと言われて、殺せるわけがない。

「(ホラ、せっかく手を入れたんだから、使わないと。ねー？人助けだと思ってさ)」

心ならしか楽しそうだった。

人がとまどっているというのに…！

「お兄ちゃん…お願い」

うつろな目が、すがるような目に変わった。

そんなこと言われても…

「(おれっちさっき言ったよね？命を与える事もできるって。このこの命を梨奈ちゃんに与えることも可能なんだよ？おれっちの言いたい事…分かるよね？)」

僕は考えた。

「梨奈を目指覚めさせることができるってこと？！」

驚きと喜びの混ざった、よく分からない感情が僕を襲った。

「(さぁ？でもこの子の命をもらいうけたって、罪にはならない。だって、君の力のことは誰も知らないんだから)」

優しい声。

なぜか安心できた。

「…君、本当に死にたいのかい？」

「うん」

即答された。

「そう…じゃあ僕がもらってもいい？」

「うん。もう…苦しいのは嫌なんだ…」

男の子は悲しい顔をしていた。

よっぽど辛いらしい。

「分かった。どうすれば…いいのかな…」

やり方が分からなかった。

「(大丈夫、できるよ)」

ウサギの声にこたえるかのように体が動く。

男の子の胸のあたりに手をあて、目を閉じる。

とてつもないエネルギーが自分の中に入ってくるような感覚があった。

「ありがとう…」

笑いながら泣いていた。

男の子は心から感謝していた。

「僕の方こそ…ありがとう」

笑顔で言うと、目の前から男の子が消えた。

「(よかったね。梨奈ちゃんを助けるためにはもっと多くの生命エネルギーがいるね。他の病院に死にたがっている人がいるから、他の病院に行こう)」

さとすように言った。

「どうして僕のためにそこまでしてくれるの？」

ウサギをじっと見た。

なぜ死にたがっている人を知っているのかなど、もうどうでもよかった。

「(当たり前だろう？君はおれっちの持ち主なんだから。それに…梨奈ちゃんを助けたいし)」

嬉しかった。

久しぶりに友達ができたような気分になった。

「ウサギぃー！」

ウサギの頭を撫でまわす。

すると、ウサギが僕の手から飛び出した。

「(ウサちゃん、な！あと、撫でまわすのはやめろ)」

暴れている。

僕の手を振りほどこうとしているみたいだ。

動きがかわいかった。

「(そんなことより…命をもらいうける覚悟はできたか？)」

低く、暗い声。

命をもらいうける覚悟…か。