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タクシー ページ6

「(どうかした?)」

「なんでもない」

嘘をついてしまった。

「(そう?よかった。)」

胸がちくりと痛んだ。

この痛みは罪悪感からなのかどうか分からなかった。

「(え?タクシーに乗るの?)」

声が高くなっている。

「うん。どうかしたの?」

なぜか歩いて帰る気にはならなかった僕は、外に出るなりタクシーに乗りこもうとしたのだ。

「(初タクシーだからさ。)」

そうか。

嬉しがってたのか。

「しゃべっちゃダメだよ?」

「(大丈夫。おれっちの声は君にしか聞こえていないから。)」

そうだったのか。

でもそうだとしたら僕が変な人だと思われないか?

「お願いだからしゃべらないで」

「(…わかったよ。)」

ふてくされている。

言い方悪かったかな?

「お客さん、乗るの?」

なんだかイラついていた。

それはそうだろう。

タクシーのドアを開けたまま動かないでいるのだから。

なんか、乗りたくないなぁ…。

というよりも、今の会話聞かれてないかな…。

「どうするの?」

さっきからタメ口だし機嫌悪いし…やっぱり乗りたくないなぁ。

「(乗って。)」

話しかけてきた。

しゃべるなって言ったのに…。

「(いいから。)」

仕方ない。

乗るか…。

「乗ります」

この運転手、嫌なんだけどなぁ…。

「どちらまで?」

無愛想。

生気が無い。

「○○の〇ー○○まで」

(ウサちゃん、どうして僕にこのタクシーに乗らせたの?)

「(なんでだと思う?)」

めんどくさいな…。

(分からないよ。でもこの人…なんかおかしいよね。)

「(あ、やっぱ気づいてた?この人、死のうとしてるよ。)」

(え?!本当に?)

「(うん。君を道づれにね。)」

道づれ…酷いな。

なんで死のうとしているのかは分からないけど、関係ない人を道づれになんてするべきじゃない。

「(だからさ、もらっちゃおうよ、命。)」

この人のを?

まだ死ぬって決まったわけじゃないのに?

それはさすがに…。

(嫌だ。…少しだけ黙って見ててくれない?)

「(分かったよ…。)」

「あの、運転手さん。死んじゃダメですよ?」

何を言っていいのか分からず、直球で言ってしまった。

心残り→←力の使い道



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徹夜の常習犯☆(プロフ) - ひかげのこさん» ありがとうございます!これからもがんばります^^ (2018年6月27日 15時) (レス) id: b4f3d70358 (このIDを非表示/違反報告)
ひかげのこ(プロフ) - なんだかいろいろ考えさせられました…。これからも更新頑張ってください^ ^ (2018年6月27日 14時) (レス) id: 8329193d31 (このIDを非表示/違反報告)
徹夜の常習犯☆(プロフ) - ありがとうございます!がんばります! (2018年6月26日 21時) (レス) id: b4f3d70358 (このIDを非表示/違反報告)
夕焼けと白猫 - 続き読みました。 続きが気になります〜。 更新、頑張ってください。 (2018年6月26日 20時) (レス) id: 76272ba197 (このIDを非表示/違反報告)
徹夜の常習犯☆(プロフ) - えるをん×@×IAさん» ありがとうございます!これからもがんばります! (2018年6月25日 17時) (レス) id: b4f3d70358 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:徹夜の常習犯☆ | 作成日時:2018年6月19日 17時

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