【銀魂】空想世界が現実世界 7【坂田銀時】

準備万端 ページ10

「成る程、プリンで銀ちゃんを釣って、真選組のトイレットペーパーを全部盗んで地味な嫌がらせをしてやろうと」


お冷やを一口飲みながら私は特に興味もなさげにそう呟いた。まぁ、銀ちゃんがあのプリンで釣られるのかは知らないが、その嫌がらせ事態は喜びそうなものである。

私がそう言うと、「何を言う」と桂が反論する。


桂「甘いぞA殿。大を催した後、トイレットペーパーがないという事態に陥った時の絶望ははかり知れん。これはれっきとしたテロだ」
「テロ低レベルすぎんだろ」


一体何処のどんなテロリストがそんなアホなテロを起こすと言うんだ。いやコイツしかいないだろうけれど。なんだろ、とても優しいテロである。


桂「奴等のそんな絶望にうち震える様を想像しただけで笑えてくる…」
「アンタマジテロリストっていうかただの嫌がらせ好きな奴だよね」


テロだと優しいが、嫌がらせだととても悪質たと思う。そんなことを思いつつラーメンをまたズルズルと。あまり話しすぎていると麺が伸びてしまいそうだ。


「あ、そういや今日隣にバケモノいないんだ」


と、今更に気づいたが前に桂の隣にいたはずのバケモノの姿がさっきからずっといない。「バケモノじゃないエリザベスだ」と訂正した桂は腕を組む。


桂「エリザベスなら、今真選組の屯所にあるトイレを調査中だ」
「準備万端かよ」


そんな低レベルすぎるテロにどんだけ労力費やしてんだよコイツら。いい加減ちゃんとじょうい活動をしろと私は言いたい。


それから暫く、私と桂は麺が伸びる前にラーメンやらそばやらを食べ終えてしまおうと、何も喋らずに食べる事だけに集中した。若者とロンゲがお昼を共にする光景。とても異様だったと思う。


私はラーメンを食べ終え、お冷やを飲んでから私は「それにしたって、」と口を開いた。そばを平らげ、満足そうにしていた桂は私に視線をやる。


「なんだってアンタはそんなに銀ちゃんを仲間にしたいの」


常々思っていた疑問を、なんとなく口にしてみる。そう。コイツは週に1.2回くらいの頻度で万事屋に出没しては銀ちゃんをスカウトしている。まぁ毎日相手にされていないけれど。


「銀ちゃんは確かに強いけど、アンタの周りにも強い人はいっぱい居るでしょ？」


いつもいつも来ては銀ちゃんに蹴られ、追い出されなんだ。そこまでして銀ちゃんに拘る理由が私には分からないのだ。

私がそう言うと、桂はなんだか怪訝そうな顔を浮かべ、首をかしげた。


桂「…A殿、もしかして聞いていないのか？」

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