嘘でしょ ページ5
*
「…うわぁ……嘘でしょ暑い…」
炎天下。暴力的に照り付ける太陽が、私の肌をジリジリと焼いている気がする。外に出てまだ数分だというのにも関わらず、身体中が早くも汗だくであった。歩く先には、揺らめくカゲロウが見える。
「なんで、こんなに暑いのよ…」
おかしい。こんなのは絶対におかしいのだ。こんな暑さ、本来あってはならないと私は強く思う。一刻も早く地球温暖化をなんとかして頂きたいものである。
こんな暑さでは、確かに銀ちゃんがキレるのも分からなくもないかもしれない、なんてことをふと思う。確かに、こんなクソ暑い中、炎天下に身体を焼かれながら行列に並ぶというのは、相当な苦難だったと思う。それなのにそこまでしてそのプリンを手に入れようとした銀ちゃんの甘味への執念には、最早敬意を抱く。
…まぁ、それにしたって暑い。
こんなに暑いっていうのに、江戸の街は今日も今日とて変わらず人でごった返している。ドイツもコイツも、なんだってこの熱気の中を歩く気になれるのか、甚だ疑問である。
…そこに私も居るのだから、なんとも言えないのだけれど。
手に持っているのは、飾り気のない封筒。そこには多くはないものの、数千円が入っている。この間、万事屋の下にあるスナックお登勢のお店の手伝いをした時に、お登勢さんから貰ったのだ。今現在、私の手元にあるお金はこれだけ。
「それで好きなもの買いな」と言われたはいいものの、私は昔から物欲があまりなく、欲しい物が中々見つからないのだ。だからこのお金の使い道も悩んでいたのだが、先程漸く見つけた。
(…別に、銀ちゃんのためじゃないし…)
アイツがプリンプリン言うから、なんか食べたくなっただけだし。私だってたまには甘いもの食べたいし、と、適当な理由をつけては歩を進める。
そう。私はこの数千円を握り締め、プリンなるものを買いにこのクソ暑い中、外に出たのである。……あくまで私が食べたいから。ついでにアイツらの分も買ってやるか、みたいな。
銀ちゃんが行列に並んで買ったと言っていたお店にも一応行ってみるが、恐らくこの時間だと、既に売り切れていることだろう。一日100個限定、その上銀ちゃんが目をつける物だ。間違いない。
運よく買えたらいいが、買えなかったらまた違うお店のプリンを買って帰ればいいだろう。そう思い、私はその噂のお店へと歩いていく。その足取りは、何故か軽かった。
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ピピコ - 銀岬さん» ご心配のお言葉、ありがとうございます…!!もう全然大丈夫です!昨日大雨に打たれましたがもう完全復活しましたので!!この物語も終わりへと向かっておりますので、無理はしないように、頑張らせて頂きます!ありがとうございました! (2017年7月19日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
銀岬(プロフ) - 失礼します!風邪大丈夫ですか?体調は気をつけてくださいね!更新無理しない程度に頑張ってください! (2017年7月19日 22時) (レス) id: 6f2670004d (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 狭霧さん» 沢山話しかけてくれて嬉しいです^^ ご心配ありがとうございます!はい!もうすぐに直して私も銀魂映画観に行きます!!もう楽しみでテンション上がりますね!! (2017年7月17日 18時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
狭霧 - またまたコメントさせていただきます!風邪治りかけは一番大切ですよ気を付けてくださいね。映画見てないけど見る予定絶対見たいでーーす!テンションアゲアゲです!! (2017年7月17日 18時) (レス) id: db8d44fdf5 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - ミンティアさん» ご心配ありがとうございます…!!ホント、もう治りかけなので大丈夫です!励ましのお言葉、とても嬉しいです^^ウッヒョーイですね!早く映画見たいです!! (2017年7月17日 15時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年7月4日 17時