不甲斐なさ故 ページ37
男「それはなァ……、」
「……ッッ」
……銀ちゃん、銀ちゃん、私は、
ー・・私は。
男「あの男は……、」
「うわあああああ!!!」
男のそんな声を遮り、掻き消すような声を私は上げていた。連中はそんな私へと驚愕の視線を送りつけてくる。それでも私は声を荒らげることをやめない。その言葉の続きを、この男に語らせてはならないのだ。
「な…、」と濁った目を見開かせているソイツの脛を、私は思いっきり蹴飛ばした。縛られている足でも力いっぱい力んでぶつければ、それなりの威力にはなってくれるようで。
男「いっつ…!?」
私の蹴りによってバランスを崩しその場に尻餅をついた男は、涙目で蹴られた脛を押さえている。蹴った私自身の足からも痛みを遅れて脳に伝達させた。
男「こんのクソアマ……!!」
涙目の男はよろけながらも立ち上がると私を怒りの帯びた目で見下ろした。殺意すら籠ったその目の色に怯みそうになりながら、恐怖で身震いをしながら、それでも私はソイツを睨みつける。涙目で私も視界がよく見えないけれど、それでも私の目に映る言葉には現し難い感情は、ソイツらにも見えているらしく。
「……私がクソアマなら、アンタらは、生ゴミよ」
……私は、どんなになっても、コイツらに負ける訳にはいかない。こんな奴等に、屈服する訳にはいかない。
「……誰が可哀想なの?……私は可哀想なんかじゃないわ」
『可愛そうになァ』
『可愛そうなお嬢ちゃんに…』
……可哀想なのは、どっちよ。
「可哀想なのは、人を小馬鹿にすることしかできない、誰かを踏みつけないと生きていけないような、アンタ達クズでしょ……!?」
濁ったような目で、ソイツらは私を見据える。驚いたような、丸くさせた目線は、私に集まっている。
「……アンタらには、分からないわよ……」
……私の気持ちなんて、分かるはずがない。
「確かに私は、銀ちゃんのことを何も知らない。『白夜叉』なんて名前、初めて聞いたし、銀ちゃんの昔のことも聞いたことない」
…私が、アイツに信用されてないから、銀ちゃんは私に、何も語らないのかもしれない。私の不甲斐なさ故に、言えなかったのかもしれない。
……なら。
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ピピコ - 銀岬さん» ご心配のお言葉、ありがとうございます…!!もう全然大丈夫です!昨日大雨に打たれましたがもう完全復活しましたので!!この物語も終わりへと向かっておりますので、無理はしないように、頑張らせて頂きます!ありがとうございました! (2017年7月19日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
銀岬(プロフ) - 失礼します!風邪大丈夫ですか?体調は気をつけてくださいね!更新無理しない程度に頑張ってください! (2017年7月19日 22時) (レス) id: 6f2670004d (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 狭霧さん» 沢山話しかけてくれて嬉しいです^^ ご心配ありがとうございます!はい!もうすぐに直して私も銀魂映画観に行きます!!もう楽しみでテンション上がりますね!! (2017年7月17日 18時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
狭霧 - またまたコメントさせていただきます!風邪治りかけは一番大切ですよ気を付けてくださいね。映画見てないけど見る予定絶対見たいでーーす!テンションアゲアゲです!! (2017年7月17日 18時) (レス) id: db8d44fdf5 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - ミンティアさん» ご心配ありがとうございます…!!ホント、もう治りかけなので大丈夫です!励ましのお言葉、とても嬉しいです^^ウッヒョーイですね!早く映画見たいです!! (2017年7月17日 15時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年7月4日 17時