強い 銀時side ページ26
本当なら今すぐこの目の前で堅物面をぶら下げている宇宙級バカにはお帰り願いてぇ所だが、渋々俺はソイツに話の続きを促した。湿っぽい視線を送りながら背もたれにだらしなく寄り掛かると、ヅラは何やら口元に笑みを浮かべて口を開いた。
桂「あぁ。A殿と話をして思ったんだが」
「銀時、お前がA殿に惚れた理由が分かった気がする」と。何故か妙に嬉しそうに言うヅラ。一体コイツはAと何を話したというのだろうか。
銀「……ふーん」
桂「随分なベタ惚れぶりだとは思っていたが、彼女に惹き込まれたお前の気持ち、漸く理解できた気がする」
柔らかな雰囲気で、ソイツは言う。まさかコイツもアイツに惚れやがったかと疑わないでもないが、なんてったってコイツが好きなのは人妻と寝と○れだし、まぁ心配はいらねぇだろう。
ただ、……コイツが俺の知らねぇところでAと飯食った、とか、Aの名前を呼んでいるのが、気に食わねぇと言えば気に食わねぇが。
桂「A殿は、強いな。力だとか、そういう事ではなく本質的に」
さっき話してみて思ったと。戦いだとか、そういうことは出来ねぇが、アイツの中には何か、強い芯がある。それは俺も、随分前から知っていた事だ。
桂「お前が浮かれるのも無理はないのかもな」
銀「……まーな」
いつか、Aが口にした言葉を思い出してみる。
『私に救えるものがあるなら、私だって手を伸ばすよ』
…とても強い眼差しだった。その目に、その横顔に、俺の目は奪われたんだったか。自分が弱いことを理解した上で、それを知った上で、それでも何かを救いたいと願うAの、強い心に。
…アイツは、Aは、強い。
…きっと、俺なんかよりもずっと。
銀「……で?だから何だよ?」
と、Aのそんな横顔を思い出し、そしてAのふわりと笑う面を思い出し、ニヤけそうになるのをなんとか堪えて素っ気なくソイツに言う。
わざわざそんな事だけを言いに来たわけではないだろう。はたまた、俺達のノロケ話を聞きに来たわけでもないだろう。
……俺の言葉を聞いてかヅラは、目を伏せてからまた、真っ直ぐに俺を見据えた。
あまりにも揺るぎなく、迷いのないその目が俺を捉えている。
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ピピコ - 銀岬さん» ご心配のお言葉、ありがとうございます…!!もう全然大丈夫です!昨日大雨に打たれましたがもう完全復活しましたので!!この物語も終わりへと向かっておりますので、無理はしないように、頑張らせて頂きます!ありがとうございました! (2017年7月19日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
銀岬(プロフ) - 失礼します!風邪大丈夫ですか?体調は気をつけてくださいね!更新無理しない程度に頑張ってください! (2017年7月19日 22時) (レス) id: 6f2670004d (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 狭霧さん» 沢山話しかけてくれて嬉しいです^^ ご心配ありがとうございます!はい!もうすぐに直して私も銀魂映画観に行きます!!もう楽しみでテンション上がりますね!! (2017年7月17日 18時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
狭霧 - またまたコメントさせていただきます!風邪治りかけは一番大切ですよ気を付けてくださいね。映画見てないけど見る予定絶対見たいでーーす!テンションアゲアゲです!! (2017年7月17日 18時) (レス) id: db8d44fdf5 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - ミンティアさん» ご心配ありがとうございます…!!ホント、もう治りかけなので大丈夫です!励ましのお言葉、とても嬉しいです^^ウッヒョーイですね!早く映画見たいです!! (2017年7月17日 15時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年7月4日 17時