天文学的な確率 ページ22
沖「オメーが何か作りゃいいんじゃねーのかィ」
その方が旦那もバカみてェに喜びそうだしねィ。と。沖田はふてぶてしく表情一つ変えずにそう言った。いつもこの世の何もかもがどうでもいいみたいな顔してるくせに、……私が思いもよらないようなことを言ってのけやがるもんだから思わず開いた口が塞がらない。
「……作る、私が…」
沖「その間抜け面どうにかならねェのかィ」
沖田の口から放たれる失礼極まりない台詞も今はどうでもよくて、私は沖田のそんな言葉を無視して頭の中でプランを巡らせる。
……そうだよ、無理に買わなくても、選ばなくても、私が作ればいいんじゃん。
「成る程ね……アンタもたまにま役に立つのね」
沖「オイコラ、それがキューピット様に対する言葉か」
「全く考え付かなかったそんなこと…」
沖「無視か」
無視だ。無視。そうとなれば何を作ってやろうかと思考を巡らせていれば、「つーかお前、」と。
沖「料理なんか出来んのかィ。見えねぇんだけど」
「出来るわよ、普通に」
この間お前らのところに女中として助っ人してやったのを忘れたか。なんなの。みんなして私が料理の一つも出来ない奴だと思いやがって。
前にも言ったと思うが、私は現実世界でお姉ちゃんがいなくなってからはほぼ一人暮らしのようなものだったから、ご飯も自分で用意していたため、料理は余裕でできる。バカにしないで頂きたい。
沖「……へぇ」
「なんなのその驚愕に満ちた顔。腹立つ」
と、そんなやり取りをしつつ。「じゃ、俺はそろそろ行くとすらァ」と沖田は私にいきなり背中を向ける。
「仕事戻るの?」
沖「そんな訳ねーだろィ」
「ですよね」
コイツが自分から仕事に戻るとか、土方さんが危篤でもないと思う。世界が終わるってなってもないと思う。それこそ、天文学的な確率だ。
沖「ま、精々失敗しねェこった」
「お気遣いどーもー」
さっさと私の視界から消えやがれ。そう思いながらも、私は小さく、奴に聞こえるか聞こえないかくらいの声で言う。
「…ありがとね」
……聞こえたのかどうかは定かではないが、沖田は私に背中を向けたまま、右手をヒョイと上げた。
……初めて、沖田と話してよかったと思えた瞬間であった。
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ピピコ - 銀岬さん» ご心配のお言葉、ありがとうございます…!!もう全然大丈夫です!昨日大雨に打たれましたがもう完全復活しましたので!!この物語も終わりへと向かっておりますので、無理はしないように、頑張らせて頂きます!ありがとうございました! (2017年7月19日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
銀岬(プロフ) - 失礼します!風邪大丈夫ですか?体調は気をつけてくださいね!更新無理しない程度に頑張ってください! (2017年7月19日 22時) (レス) id: 6f2670004d (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - 狭霧さん» 沢山話しかけてくれて嬉しいです^^ ご心配ありがとうございます!はい!もうすぐに直して私も銀魂映画観に行きます!!もう楽しみでテンション上がりますね!! (2017年7月17日 18時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
狭霧 - またまたコメントさせていただきます!風邪治りかけは一番大切ですよ気を付けてくださいね。映画見てないけど見る予定絶対見たいでーーす!テンションアゲアゲです!! (2017年7月17日 18時) (レス) id: db8d44fdf5 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ - ミンティアさん» ご心配ありがとうございます…!!ホント、もう治りかけなので大丈夫です!励ましのお言葉、とても嬉しいです^^ウッヒョーイですね!早く映画見たいです!! (2017年7月17日 15時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年7月4日 17時