56話 ページ8
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「ねぇAちゃん。この後の放課後さ、スカラビア寮行かない?カリムくんが宴やるらしいんだよねー」
授業終わりにケイトくんから話しかけられ、特にこの後に用事もなかったために私は快諾した。
「んじゃ、スカラビア寮の寮前で待ち合わせだよっ!」
「はい」
伝え終わると、ケイトくんは颯爽と何処かへ飛んで行ってしまった。
そして彼が居なくなったのを見計らったように浮かんだ隣のタブレットから音声が響いた。
「よ、よよよよ陽キャの集いに連れていかれますぞ!!?」
「せっかくお誘いを貰ったので。断る理由もありませんでしたから」
「拙者、あの恐ろしい集会にはもう二度と行きたくないでござる………」
「おや。そんなに恐怖を伴うのですか?」
聞き間違えでなければ《宴》と云っていた気がするのだけど。
「と、とととにかく、心して行くでござるよ………」
「ええ」
酷く怯えたイデアくんから忠告を貰い、私は鏡舎へと向かった。
スカラビア寮は初めて行く。
どんな寮なのか楽しみだ。
──────────
────
カラッと乾燥した空気に、異国情緒溢れる見事な宮殿が聳え立つ。
出身は極寒の地だからか、少しクラクラしてしまう。
少し辺りを見渡していると、前方から私を呼ぶ声が聞こえた。
「Aちゃーん!こっちこっち!!」
目を凝らすと、ケイトくん、ターバンを巻いた少年、特徴的な羽根帽子を被った人が立っていた。
私は小走りで辿り着く。
「お前がAだな!俺はここの寮長、カリム・アルアジームだ!よろしくな!」
「私はルーク・ハント。愛の狩人さ。ご機嫌よう、マドワゼル・アメジスト」
「よろしくお願いします。………アメジスト?」
元気そうで明るいカリムくんと、自身を愛の狩人と名乗ったルークさん。
「キミの瞳が紫水晶のようで実に美しかったからさ」
「あー……あれだよ、フロイドくんが色んな子を海の生き物で呼ぶ感じ?」
「…………なるほど、理解しました」
ルークさんに既視感を覚えたのは心当たりがある。
────『今日も美しいAちゃん、流されるのに丁度
────『君みたいな可愛い子があの魔人の妹だなんて信じられないね!』
太宰くんだ。
「あ、もう準備出来てるみたいだ!行こうぜ!!」
楽しそうなカリムくんに続き、私達も宮殿の中へと入っていった。
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アババババ - 80話の最後のフロイド君の発言で草生えました! (2022年11月19日 23時) (レス) @page32 id: 222bdc0355 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» 承認しました!こちらこそよろしくお願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - あ〜ちゃんさん.......私も好物なので有り難いです......!ぜひ御願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: fc34ad99ff (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - あ〜ちゃんさん» 柘榴です!よろしくお願いします! (2020年7月23日 18時) (レス) id: f20993b4a3 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» OKです!ありがとうございます!! (2020年7月23日 13時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あ〜ちゃん x他1人 | 作成日時:2020年6月29日 0時