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81話 ページ33

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時間が経つというのはあっという間で、時刻はもう12時を回っている。


今に至るまでにすれ違った人々には、やはり分裂だのドッペルゲンガーだの言われ続けてきたが、流石に何回も訂正する気力は無かった為に、事情を説明してケイトくんにまじかめ?にて紹介をしてもらった。



『はい、チーズ★… #兄妹 #その親友の道化師くん #儚げ美人 #異世界 よし、かんりょーっ!』

『助かります』



現在私達は大食堂にてランチを食べていた。

フェーヂャが珍しくパフェを頼んだかと思いきや、私に食べさせるばかりで自分は全く食べやしない。



「A、あーんです」



素直に口を開けなきゃ彼は拗ねる。
一度拗ね始めると本当に面倒臭いので、私は大人しく口に運ばれ続けた。



「フェーヂャも食べてください」

「ぼくは結構ですよ」



それを傍から見ていたゴーゴリくんに、



「君たち恋人同士みたいだね!!」



と爆弾を投下された。
フェーヂャは満更でも無さそうだ。


…恋人、ねぇ…………。
思い返せば一度も出来たことなんて無いし、そもそも興味すら無かった。

今も無いのだが。



「………大丈夫ですよ、貴女に着く虫なんて叩き落として差し上げますから」

「虫……………?」

「Aちゃんは知らなくて大丈夫だよ!」

「ええ。世の中には知らない方が幸せ、と云うものも或りますから」



何を言っているのか理解は出来ないが、フェーヂャの瞳に薄ら澱みが映っている。深堀しない方が良さそうだ。



「なので先ずはあの馴れ馴れしい巨人と蒼炎を始末しましょう」

「物騒ですよ」



こうして制限時間(タイムリミット)がやって来た。フェーヂャとゴーゴリくんはまた来週来る、と言い残して光の粒子に包まれて姿を消した。

私達の世界へ帰って行ったのだ。


何だか長かかったような、短かったような一日だ。

その瞬間を待っていたように、携帯が震える。



「はい、もしもし」

《ぁ、A氏?お、おおおおっお兄様方はいらっしゃりゅ?》

「いえ、もう帰りましたよ」

《マ??よ、良かった……………イグニハイドに帰ってきてくれる?き、君の部屋完成したんだ………フヒッ…》

「了解しました」

《んじゃよろっすわ》



通話を切り、新しい部屋に胸を馳せながら私は自寮へと歩き出したのだった。

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アババババ - 80話の最後のフロイド君の発言で草生えました! (2022年11月19日 23時) (レス) @page32 id: 222bdc0355 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» 承認しました!こちらこそよろしくお願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - あ〜ちゃんさん.......私も好物なので有り難いです......!ぜひ御願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: fc34ad99ff (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あ〜ちゃんさん» 柘榴です!よろしくお願いします! (2020年7月23日 18時) (レス) id: f20993b4a3 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» OKです!ありがとうございます!! (2020年7月23日 13時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あ〜ちゃん x他1人 | 作成日時:2020年6月29日 0時

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