75話 ページ27
.
「イデアくんですか?」
「ええ。貴女に会う前に或る親切な少年達から聞きまして」
「目元にハートとスペードがある少年達だったよ!」
……エースくんとデュースくんだ。
「イデアくんはとても優しい方ですよ。それに見ていて飽きがこない人物です」
「…それは面白そうだ」
鏡を潜り、イグニハイド寮へと足を踏み入れた。幾つも並んだ髑髏のオブジェが私達を出迎えてくれる。
「さっきのおくたびねる?とはかなり違う作りなのだね!」
「そうなんです。この学園の寮は全部で7つも有るんですよ」
「7つ!?凄いね!!」
相変わらずハイテンションなゴーゴリくん。
フェーヂャは………やっぱり何処か落ち込んでいる気がする。
「…あ、此処です」
他の部屋より少し装飾が派手な青いドア。
これが寮長の部屋だ。部屋の中も他室へと比べると広くなっているらしい。
自動認証センサーが反応し、ドアが開く。
イデアくんは部屋の中でパソコンを弄っている。
「イデアくん、ただいま帰りました」
「おかえりA氏……………分裂した?」
フェーヂャを見て不思議そうに首を傾げた。
…あれ、ゴーゴリくんがいない。
「ハハハーハハ!!!やァ!君がイデアくんかい?」
「ひぎゃあああああああああああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁッッッッッ!!?!?」
またもや異能でイデアくんのすぐ隣に頭だけ出現させ、彼をビビり散らかしている。
胡瓜を後ろに置かれた猫の如く、イデアくんは勢い良く飛び退いた。
「ハハハ!!Aちゃんの云う通り本当に面白いね!」
「な、なん、だ、っぇ……」
「すみません、イデアくん。大丈夫でしたか?」
「だ、だ、だだだだぃじょぶ。だ、だれですか」
「私はニコライ・ゴーーーーゴリ!!Aちゃんの幼馴染!!」
ゴーゴリくんは彼を気に入ったようだ。
新しい玩具を与えられた子供のように目を輝かせている。
「ぼくはフョードル・ドストエフスキー。彼女の双子の兄です」
「お、お、お、お兄さん?なななな何でこの世界に?」
「ぼくの最愛の妹の姿を目に焼き付けに来ただけです」
淡々と述べるフェーヂャはそれで、と続けた。
「Aはこの男の部屋に住んでいるんですか?」
「ヒェッッッ」
「はい、今のところは」
「……………詳しく」
563人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アババババ - 80話の最後のフロイド君の発言で草生えました! (2022年11月19日 23時) (レス) @page32 id: 222bdc0355 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» 承認しました!こちらこそよろしくお願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - あ〜ちゃんさん.......私も好物なので有り難いです......!ぜひ御願いします! (2020年7月23日 21時) (レス) id: fc34ad99ff (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - あ〜ちゃんさん» 柘榴です!よろしくお願いします! (2020年7月23日 18時) (レス) id: f20993b4a3 (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 猫さん» OKです!ありがとうございます!! (2020年7月23日 13時) (レス) id: 9c71528097 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あ〜ちゃん x他1人 | 作成日時:2020年6月29日 0時